複素関数
担当者越岡 康弘教員紹介
学年・開講期2年次 後期  [理工学部 航空宇宙工学科]
科目の種類専門基礎
区分・単位必修 2単位
科目ナンバー2G305

授業の概要(ねらい)

複素数の四則演算、べき級数展開とオイラーの公式、複素関数と写像、複素数の初等関数、正則関数とコーシー・リーマンの関係式、複素積分と留数、さらに等角写像と調和関数などの諸概念を理解し、Imaginary Numberを対象とする複素関数がどのように構築されてきたかを修得しましょう。
また、調和関数の流体力学、伝熱学、電磁気学への応用例などからその有用性を理解しましょう。
この科目は、ディプロマポリシーDP1に関連する科目です。

授業の到達目標

本講義では数の世界が実数から複素数へ拡大し、それに伴って関数も複素関数へ展開していった過程を説明します。この過程で関数のべき級数展開という方法が複素関数を構築する上で重要であることを理解しましょう。
複素数や複素関数はなじみにくいものですが、複素数を複素平面で表わすと実平面をイメージすることができ、複素関数の微分や積分が理解しやすくなります。本講義で複素関数の諸概念を理解するとともに、流体力学への応用例として翼に発生する揚力が調和関数を用いて解析することができることを理解しましょう。

成績評価の方法および基準

成績評価は次の2つの試験で行います。それぞれの評価割合は、中間試験は30%とし、試験後に解説を実施しますので、後半の学習に役立てるようにしてください。また、期末試験は70%とします。 
各回の授業の後半に練習問題を行う時間を設け、次回の授業で解説を行うことで、フィードバックを行います。併せて、この練習問題提出をもって出席とします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書教科書:村上雅人著『なるほど複素関数』海鳴社ISBN-13: 978-4875252061
参考文献

準備学修の内容

複素数の表現、演算、実数関数の微分・積分をひととおり理解しておくことが必要です。
◇ 予備学習について:講義は毎回教科書を15ページ前後進みますのでこの範囲に関する疑問点などをノートにまとめておき、講義に臨みましょう。
◇ 復習について:前回の授業の練習問題の解説で理解度をチェックし、必要に応じて教科書を読み返し、定義や定理などの理解を確認してください。また、当日の授業の練習問題に関する疑問点等をまとめ、次回の授業での練習問題解説で確認するようにして下さい。きちんと復習しておくことで、中間試験、期末試験の準備が効率的に進みます。
当該期間に45時間以上が上記の予復習に必要です。

その他履修上の注意事項

複素関数というと大変難しい科目のように聞こえますが、三角関数や指数関数、微分積分の知識、弧度法など高校から大学初年度に習う事項をきちんと理解していれば問題ありません。実関数のべき級数展開の考え方が複素関数の定義にうまく使われているところに着目しましょう。
複素数及び複素関数は、実数の範疇では答えのない方程式に答えを与えるところから始まり、多くの物理数学の分野へ適用範囲を拡大してきました。この過程における先人の工夫を興味深くたどることで、複素関数への理解が進むものと考えています。
関連科目 : 翼まわりの流れ学
参考図書 : 志賀浩二著「数学7日間の旅」、紀伊国屋書店から出版されていた複素関数の理解を助ける非常によい本ですが、残念ながら数年前に絶版となってしまいました。

授業内容

授業内容
第1回虚数と複素数   (虚数とは、2次方程式の根と判別式、数の分類と複素数)
第2回虚数と複素数   (複素数の加減乗除、複素平面、複素数とベクトル)
第3回関数のべき級数展開
第4回オイラーの公式とその応用 (1のn乗根、ド・モアブルの定理)
第5回複素平面と極形式
第6回複素数の関数   (写像、複素変数の2次関数)
第7回複素数の関数   (実関数のべき級数展開式、複素変数の初等関数)
第8回複素関数と微分  (特異点、正則関数、コーシー・リーマンの関係式)
第9回中間試験 及び 問題の解説
第10回複素関数の積分  (べき級数の積分、実関数の積分公式、積分経路)
第11回複素積分(周回積分、コーシーの積分定理)
第12回複素積分(留数、ローラン展開、極)
第13回複素積分(実数積分への応用)
第14回等角写像(初等関数の等角写像、ジューコウスキー変換)
第15回調和関数(ラプラス方程式、等角写像の応用)