担当者 | 蓮田 裕一 | |
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学年・開講期 | 3年次 前期 [理工学部 情報電子工学科] | |
科目の種類 | 専門 | |
区分・単位 | 選択 2単位 | |
科目ナンバー | 3E231 |
ロボットを設計・製作するには多くの分野の知識と技術が不可欠です。機構学・制御工学・電気工学・電子工学・材料力学など各分野からロボット製作に密接に関係する内容を理解し、その基礎基本を身につけます。講義に加えて随時演習を行ない、ロボット科学の概念理解を深めます。
この授業ではDP4Eに関する知識と態度を修得する。
最近、ロボットは産業用や医療福祉の分野に止まらず、私たちの生活の中にも浸透しつつあります。本講義の目標は学生が、①ロボットを制御するためのセンサ類やアクチュエータの原理を説明できる。②運動学さらには実用化されている各種ロボットの現状と未来について設計することができる。③少子高齢化に対応する産業用ロボットや介護福祉・農業用ロボットのアイデアを発表できることである。
出席率2/3以上・課題レポートの全提出の2条件を満たした場合に限り、試験:課題レポート=60%:40%で評価します。
上記2条件を満たさない者には、定期試験・再試験の受験資格を与えません。
課題レポートの修正点を返却時に解説し、フィードバックしながらブラシアップします。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 授業で印刷物を配付します | ||
参考文献 |
授業内容の理解だけでなく、普段の生活の中からロボットに対する興味関心を有することが重要です。
自動洗濯機や掃除ロボット、駅の改札機などがどの様な機構・制御で動いているのか、普段の生活で考え実際に作ることを想定して、各講義前に90分程度の事前学習をしましょう。また授業で随時出題される課題レポートはすべて提出して、ロボットに関する理解を深めて下さい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ロボットの基本概念と社会的意義 全自動洗濯機や自動改札がどの様な機構と制御で動いているのか、事前に調べてまとめてみましょう。 |
第2回 | ロボットの歴史と現状 ロボットの起源と産業用ロボットの現状を事前に調べてまとめてみましょう。鉄腕アトムと鉄人28号の制御法の根本的な違いを考察します。 |
第3回 | 生活で見かけるロボット:第1回の授業で学んだ全自動洗濯機や自動改札の機構と制御方法を深める。この授業までに洗濯や掃除・炊飯などを体験し、自動化・無人化の利点をまとめておく。家事にかかる時間と労力をロボット化する意義を理解する。 |
第4回 | センサの種類と原理:なぜカメラのピントが合うのか、エアコンの温度はどの様に制御させているのか事前に調べておく。ロボットに必要なセンサ類の種類と原理を調査する。 |
第5回 | アクチュエータの種類と原理 モータやソレノイドなどのアクチュエータの種類と動作原理を修得する。ソレノイドを用いたアイデアを考案し発表する。 |
第6回 | 構造用材料の種類と機械的性質 鋼やアルミニウム・カーボンなどの構造用材料の種類と機械的性質を修得する。なぜ、日航ジャンボジェット機墜落事故が生じたのか、設計と非破壊検査技術、経年劣化を含め、技術者の資質と責任にも言及する。 |
第7回 | 災害救助ロボット:阪神淡路震災の死者の8割は家屋倒壊による圧死であることや、東日本大震災での福島第一原子力発電所事故を踏まえ、災害救助ロボットの現状と未来を考察する。災害救助ロボットを各自、考案する。 |
第8回 | ソフトウエアとプログラム LabVIEW:NASAも使用しているグラフィック型言語LabVIEWの活用事例を理解し、音声のFFT解析を活用したアイデアを各自発表する。高校生がロボットコンテストで高評価を得たFFT解析事例も考察する。 |
第9回 | 前半のテスト、まとめ |
第10回 | ロボットのシステム制御:古典制御の雄「PID制御」の活用事例を理解し、PID制御を活用したアイデアを各自発表する。高校生がロボットコンテストで高評価を得たPID制御事例も考察する。 |
第11回 | 大学内のロボットベンチャー企業:筑波大学のロボットスーツや香川大学のソーラーパネル清掃ロボットの事例を理解し、帝京大学内でのロボット起業を企画する。事前の調査検討が必要 |
第12回 | 農業用ロボット:農業就業人口の減少や世界的な食糧問題を鑑み、農業用ロボット開発の動向を知り、未来を考える。 |
第13回 | 介護用ロボット:少子高齢化を直面し、介護する側の負担軽減・介護される側の自立の困難さを理解し、介護ロボットの設計を試みる。65歳が人口の40%になる2060年の介護システムとロボットの普及を考える。 |
第14回 | 産業界で活躍するロボット:日本が誇る産業用ロボットと世界的市場の現状と未来を考える。製造用ロボットのタイプと出荷規模の推移を検討する。産業用ロボットのアイデアを考案し発表する。 |
第15回 | テスト、まとめ |