地域政策論
担当者山本 健兒
学年・開講期3年次 前期  [経済学部 地域経済学科]
科目の種類専門 地方自治・行政
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー8E207

授業の概要(ねらい)

 この講義の狙いは、21世紀に入って以降の日本政府が公式に決定した「国土形成計画」や「地方創生」政策の内容を批判的に読み解くとともに、日本の市町村レベル、あるいはこれよりも小さな地域レベルで実践されている地域振興政策の具体を知り、そこから学ぶべきこと、あるいは批判すべきことを学生と一緒に考えることにあります。

授業の到達目標

 現在の日本政府および市町村レベルの自治体で実践されている「地域政策」を理解し、それらが学生自身にとって身近な地域にどのように応用可能かということを考える力を身につけることがこの授業の到達目標です。

成績評価の方法および基準

 授業最終回に実施予定の試験で成績評価を行ないます。また、日本に関する基礎的な知識等に関する質問を授業中に口頭で行なう予定です。さらに、授業内容の理解が確実になったか否かを確認するための簡単な小テストや小レポートを随時課します。これらも最終的な成績評価に反映させる予定です。口頭での質問に対する学生からの解答や小テスト・小レポートについては、その都度教員から正解や解答に至る考え方などを解説するので、これが学生へのフィードバックになります。
 試験は、授業最終回ではなく、定期試験期間中の実施になる可能性があります。詳細は7月初旬頃に、授業中でお知らせします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 国土交通省のホームページから入手できる「国土形成計画」の「全国計画」や各「地方計画」をテキストとします。購入する必要はありませんが、インターネットでダウンロードし、プリントアウトすることが求められます。その分量は多くなります。
参考文献『里山資本主義』藻谷浩介・NHK広島取材班KADOKAWA、2013年
参考文献『地元経済を創りなおす―分析・診断・対策』枝廣淳子岩波書店(岩波新書)、2018年
参考文献『富山は日本のスウェーデン』井出英策集英社(集英社新書)、2018年

準備学修の内容

 この授業では、国土交通省のホームページから入手できる「国土形成計画」の「全国計画」や各「地方計画」をテキストとします。購入する必要はありませんが、インターネットでダウンロードし、プリントアウトすることが求められます。その分量は多くなります。また、参考文献欄に掲げた書籍は、書店で購入するなり図書館を利用するなりして読むことが求められます。さらに、授業中に随時、読むべき文献や学術論文、インターネットでアクセスできる地域振興政策関連のホームページなどを紹介するので、これらを読むことも求められます。そのために、予習や復習にはそれぞれ1回の講義につき1.5時間程度の時間を必要とすると考えられます。特に、ノートの整理という意味での復習をしっかり行うことが求められます。

その他履修上の注意事項

 授業中に素早くメモを取り、授業後にできるだけその日のうちに、ノートを整理することが求められます。
 取り上げる具体例は変更する可能性があります。
 COVID-19の感染状況次第では、教室での対面授業ができなくなる可能性があります。その場合には、オンライン・オンデマンドでの授業形態を考えます。しかし、私のインターネット通信の技能や設備・ソフトウェアが整えば、同期双方向通信での授業展開もあり得ます。いずれにせよ、教室での対面授業ができない場合にはLMSでのレポート提出を毎回全員に求めざるを得なくなります。

授業内容

授業内容
第1回この講義に関するシラバスの解説と受講上の注意事項、及び「地域政策論」における地域とは何か、という問題の解説
第2回「国土形成計画」とは何か?
第3回「国土形成計画」における「全国計画」
第4回「国土形成計画」における「地方計画」:首都圏広域地方計画
第5回「国土形成計画」における「地方計画」:九州圏広域地方計画
第6回「国土形成計画」における「地方計画」:東北圏広域地方計画
第7回「国土形成計画」における「地方計画」:四国圏広域地方計画
第8回「地方創生」政策とは何か?
第9回「地方創生」政策に先立って実行されていた地域振興に関わる各省庁の政策
第10回市町村レベルでの地域振興政策の事例(1)徳島県上勝町
第11回市町村レベルでの地域振興政策の事例(2)徳島県神山町
第12回市町村レベルでの地域振興政策の事例(3)長崎県小値賀町
第13回市町村レベルでの地域振興政策の事例(4)岡山県真庭市
第14回市町村レベルでの地域振興政策の事例(5)大分県由布市
第15回試験と総括ディスカッション