比較文化2
担当者小園 晃司
学年・開講期1年次 後期  [経済学部 地域経済学科]
科目の種類総合基礎
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー0E112

授業の概要(ねらい)

グローバル化が叫ばれて久しい昨今、とりわけインターネットの普及にともない、さまざまな事象についての情報が国境や言語を跨いで共有されています。しかし、未知の事象についての説明や画像、映像などに触れた際、私たちは時に自らの帰属する社会や文化の中で接してきた既存の“記憶やイメージ”によってこれをカテゴライズし、理解することがあります。こうして得られる理解は、当然のことながら、文化背景の相違により異なります。授業では、この問題を考えるために、一例として、世界情勢によって導かれた“天下の趨勢”、いわば「大勢」が近代日本においてかつてどのように理解され、それが当時の知識人にどのような思想的影響をもたらしたのかということについて、西欧科学思想や漢学の影響を踏まえて振り返ります。
また、本講義の導入部の概論では、受講生各自の関心ある文化事象についての捉え方の手がかりとなるよう、比較文化研究のいくつかの方法論に触れます。そして、これらを通じて多角的な視野を培い、各専門分野における学びを深化させることが出来るようになることを目指します。
この授業は「総合基礎科目」の学修目標1、2、3に関連します。

※この科目はJABEEプログラム対応科目ですので、情報電子工学科情報科学コースの受講生と、それ以外の学部学科の受講生とは、別の曜日の開講となります。履修登録の際にはご注意ください。

授業の到達目標

異文化間に存在する文化事象や概念を一面的ではなく、多面的に捉えることの重要性を認識し、講義内容を踏まえて行うグループワークを通じて、専門分野を学んだり社会生活を行ったりする上で有用な多角的視野を養うことが出来ます。

成績評価の方法および基準

この授業では期末試験は行わず、期末レポート(50%)、授業への取り組み(50%)を総合して成績を評価します。尚、「授業への取り組み」については、第8回と第15回のレポート提出も評価に加えます。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献特定のテキストは使用せず、必要に応じて授業内でプリントを配布します。

準備学修の内容

その他履修上の注意事項

①授業では、前の回の振り返りや、グループワークを課すため、毎回出席することが求められます。
②授業内容とその進度については、受講生の関心や興味にしたがって変更がなされる場合があります。
③授業中の携帯電話の使用は極力、慎んでください。配布資料の中の不明な語彙については、事前に調べてから授業に臨んでください。
④情報電子工学科情報科学コースの学生においては、当該科目は「JABEE認定プログラム」の選択必修科目であり、「学習・教育到達目標」の1-1項目に対応しています。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
授業の進め方の紹介。受講生の本授業における目標の設定。
グループ分け作業(二つのグループに分ける予定)。
第2回概論①記憶とイメージⅠ
概念の訳出と近代語
第3回概論②記憶とイメージⅡ
記憶の再編成
第4回概論③記憶とイメージⅢ
文化の再編成
第5回(第2~4回までの内容に基づく)関連資料の紹介
(第2~4回までの内容に基づく)第1回グループ発表のテーマ選定
第6回(第2~4回までの内容に基づく)第1回グループ発表(前半グループ)とディスカッション
第7回(第2~4回までの内容に基づく)第1回グループ発表(後半グループ)とディスカッション
第8回近代日本の「大勢」観
近代日本の世界認識~「東西文明融合論」の視点
第9回近代日本の「大勢」観
J.W.Draper『A History of the Intellectual Development』と近代日本の知識人
第10回近代日本の「大勢」観
「進化思想」の受容と東洋
第11回近代日本の「大勢」観
文芸から眺める大勢観
第12回(第8~11回の内容に基づく)関連資料の紹介
(第8~11回の内容に基づく)第2回グループ発表のテーマ選定
第13回(第8~11回の内容に基づく)第2回グループ発表(前半グループ)とディスカッション
第14回(第8~11回の内容に基づく)第2回グループ発表(後半グループ)とディスカッション
第15回講義の総括と各自が設定した本授業における目標の達成度の振り返り