精密加工実習
担当者大野 威徳
学年・開講期3年次 前期  [理工学部 機械・精密システム工学科]
科目の種類専門
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー1F302

授業の概要(ねらい)

MC(マシニングセンタ)、NC旋盤などのNC工作機械および超精密加工機を用いたアルミニウム合金の鏡面加工を主題として、これらの加工に用いる各種工作機械の構造、工具、加工条件および加工計測について加工試験を通じて学ぶ。

この授業では、DP2に関する知識と能力を習得します。

授業の到達目標

本講義では、超精密加工の目的と必要な切削理論、工作機械、切削工具および計測法などについて得られた専門知識を活用する能力を身に着けることが目標となります。

成績評価の方法および基準

各回で出題するレポート課題(4課題:MC、NC旋盤、超精密旋盤、加工計測)で評価する(100%)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献

準備学修の内容

機械・精密システム工学科3年生前期「精密加工学」を平行して受講することが望ましい。
少なくとも、このシラバスで指定する教科書・参考書の各内容を把握しておくことが求められる。

その他履修上の注意事項

一部、精密機器を設置した恒温室で実習を行う。実習当日は、清潔な服装と手洗いは忘れずに参加すること。
また、機器により不具合が生じる恐れがある。この場合は、代替の機器を用いて実習内容を変更する場合がある。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス(*この時に、講義・実習場所、使用装置などについて簡単に説明します。また、第2回以降各回の集合場所なども、あわせて連絡します)、
実習Ⅰ MC、NC旋盤の構造と加工作業の概要
概要: MCおよびNC旋盤の構造と構成要素および加工作業の流れを解説する(講義)
第2回実習Ⅱ MC(マシニングセンタ) #1 NCプログラムの作成
概要: CAMソフト「Gibbs」を用いたNCプログラムの作成方法を学ぶ(講義)
第3回実習Ⅱ MC(マシニングセンタ) #2 NCプログラムの動作確認・工具・工作物の設置・取付
概要: NCプログラムの動作をCAMソフトと実機で実施。その後、必要な工具・工作物の取り付け作業について学ぶ(実習)
第4回実習Ⅱ MC(マシニングセンタ) #3 加工および寸法計測
概要: MCを用いて実際に加工を実施、加工後の各部の寸法についてノギス・マイクロメータなどを用いて測定する(実習)
、レポート#1の作成について
第5回実習Ⅲ NC旋盤 #1 NCプログラムの作成
概要: CAMソフト「Gibbs」を用いたNC旋盤用のNCプログラムの作成する。MCの場合との製作手順の違いなどについても説明する(講義)
第6回実習Ⅲ NC旋盤 #2 NCプログラムの動作確認・工具・工作物の設置・取付
概要: NCプログラムの動作をCAMソフトと実機で実施。その後、NC旋盤への必要な工具・工作物の取り付け作業について学ぶ(実習)
第7回実習Ⅲ NC旋盤 #3 加工および寸法計測
概要: NC旋盤を用いて実際に加工を実施、加工後の各部の寸法についてノギス・マイクロメータ、ハイトゲージなどを用いて測定する(実習)
、レポート#2の作成について
第8回実習Ⅳ 形状測定
概要: 第2回~7回までにMC、NC旋盤で加工した各工作物について、形状測定機により加工形状を測定する(講義+実習)
第9回実習Ⅴ 表面性状(粗さ)測定
概要: 第2回~7回までにMC、NC旋盤で加工した各工作物について、触針粗さ計を用いて表面性状(粗さ、うねりなど)を測定・評価する(講義+実習)
第10回実習Ⅵ 超精密旋盤 #1 超精密旋盤の構造と加工原理
概要: 空気静圧軸受を用いた超精密旋盤を用いた鏡面加工について、旋盤の構造と構成要素、および加工原理について簡単に説明する(講義)
第11回実習Ⅵ 超精密旋盤 #2 超精密旋盤による鏡面加工
概要: HDDプラッタの加工を想定し、アルミニウム合金(5000系)の鏡面加工を実施する(実習)
、レポート#3の作成について
第12回実習Ⅶ 超精密加工における加工計測 #1 切削抵抗の測定
概要: 第11回に引き続いて、アルミニウムプラッタの加工を実施。加工の際に生じる切削抵抗を圧電式動力計を用いて測定、評価する手法を学習する(講義+実習)
第13回実習Ⅶ 超精密加工における加工計測 #2 表面性状の評価
概要: 第11回で鏡面加工したアルミニウムプラッタについて、レーザ顕微鏡などを用いて表面性状(粗さ、うねりなど)を測定・評価する。第9回の触針粗さ計との違い、特徴などについても理解する。(講義+実習)
第14回実習Ⅶ 超精密加工における加工計測 #3 硬度試験
概要: 主に、第11回で鏡面加工したアルミニウムプラッタについて、マイクロビッカース硬度計などを用いて表面硬度を測定・評価する。第5-7回でNC旋盤で端面切削で作成した工作物に対しても硬度を測定し、両者の特性を比較する(講義+実習)
第15回実習Ⅶ 超精密加工における加工計測 #4 電子顕微鏡観察
概要: 主に、第11回で鏡面加工したアルミニウムプラッタの表面を電子顕微鏡で観察する。レーザ顕微鏡では確認できなかったサブミクロンオーダの表面性状を観察する。併せて、電子顕微鏡の原理と操作方法についても学習する(講義+実習)
、レポート#4の作成について