経済統計Ⅱ
担当者溝口 佳宏
学年・開講期2年次 後期  [経済学部 地域経済学科]
科目の種類経済学系科目
区分・単位選択 2単位
科目ナンバー8B212

授業の概要(ねらい)

経済統計とは、あくまでも経済活動の一部ではあるものの、経済活動の結果を表している経済データの分析を通じて、経済活動のメカニズムを明らかにしようとする分野です。この科目では、「経済データ分析入門」と「経済統計I」の履修合格者を主な対象として、経済統計に関する基礎的な内容について講義します。この科目で取り扱う内容は2つの部分に分けられます。1つは、経済統計データが作成される際の約束事に関する内容です。もう1つは、経済統計データを分析する手法に関する内容です。経済統計データは数量データで表されることが多く、数量データの分析手法は統計学を基礎としています。ついては、この科目では統計学の基礎的な内容を取り扱うことになるでしょう。

ディプロマポリシーとの関連については、専門分野についての知識や技能という点で、この授業の内容は関連するでしょう。また、地域経済学科が示すディプロマポリシーの番号との関連という意味でいえば、DP1に相当するでしょう。

授業の到達目標

この授業での到達目標は、以下の2点になるでしょう。
1.経済統計データが作成される際の約束事について、基礎的な内容を習得している。
2.数量データの分析手法の基礎である統計学の基礎的な内容を習得している。

成績評価の方法および基準

このシラバスの校正作業を行っている2021年3月上旬の時点で、少なくとも帝京大学宇都宮キャンパスでは、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえつつ、2021年度の授業形式に関して、いろいろなレベルでの協議が進んでいます。とはいえ、最終的な決定に至っている訳ではありません。このような状況のなか、この項目について、どの程度の内容を記すべきか判然としませんが、可能な範囲で記述をします。

2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、この科目に類似した科目(経済データ分析入門)をオンライン授業で実施しました。そして、LMSを用いて出題した宿題のみで成績評価を行いました。この経験を踏まえ、仮に、この科目をオンライン授業で行う場合には、宿題のみで成績評価を行う可能性が高いでしょう。この場合は、出題された宿題すべてに対して、あらかじめ設定された合格基準を満たした解答を提出していることが、この科目の単位を取得するために必要です。

仮に、この科目を対面授業で実施する場合には、宿題と期末試験で成績評価を行う予定です。この場合、この科目の単位を取得するためには、次の2つの条件を満たすのが必要です。1つは、一定の水準を満たした宿題を提出していることです。もう1つは、期末試験を受験し、一定水準以上の得点を取っていることです。このシラバスを執筆している時点で、無理やりに評価比率を記してみると、宿題30%、期末試験70%といったところでしょう。

いずれにしても、この科目が実際に開始される2021年9月には、どのような授業形式になるのか確定しているでしょう。よって、成績評価の方法や基準に関する詳細は、ガイダンスの際に説明します。

フィードバック方法は、宿題についてはLMSを用いる予定ですので、提出された宿題について、LMSを通じて個別に講評を行う予定です。期末試験については、採点が終了したのちに、必要に応じて簡単な講評を行う予定です。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特定のテキストは使用しません。この授業ではLMSを利用して資料を配布します。そして、その資料に基づいて授業を行います。
参考文献としては、さしあたり以下を挙げておきます。
参考文献経済統計廣松毅、高木新太郎、佐藤朋彦、木村正一新世社
参考文献経済統計田中勝人岩波書店
参考文献統計学入門東京大学教養学部統計学教室東京大学出版会

準備学修の内容

この授業で必要となる予習は、以下の項目です。
・授業の進度に応じて、授業の資料をLMSからダウンロードし、ダウンロードした授業資料に目を通してください。
・可能な範囲で、授業資料の流れや記されている語句について、参考文献を参照してください。

この授業で必要となる復習は、以下の項目です。
・授業で進んだ範囲について、授業資料、履修者各自で取ったノートやメモを見直してください。
・分からないところや、興味を持ったところについて、参考文献を読んでください。できる範囲で、章末問題にも取り組んでください。
・練習問題などが出されたときは、それらに取り組んでください。

準備学修の時間は、この授業が2単位科目である関係で、予習と復習を合わせて1週当たり3時間とされています。重要なのは時間数ではなく内容とは思いますが、1つの目安にはなるでしょう。予習と復習の時間配分は、履修者それぞれに任されますが、この授業を履修してゆく過程では、復習にかける時間が相対的に多くなると思われます。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回二項分布、ベルヌーイ分布、ポアソン分布
第3回正規分布、指数分布
第4回母集団と標本
第5回母数と統計量
第6回点推定の手順
第7回点推定の基準と推定例
第8回区間推定
第9回検定の考え方
第10回正規分布の場合の仮説検定
第11回カイ二乗検定
第12回回帰係数の推定
第13回偏回帰係数の検定
第14回重回帰分析
第15回全体のまとめ