1. |
授業の概要(ねらい) |
|
本授業では,犯罪の要因についての理論を学習します。犯罪学の分野では,初期には遺伝や知的能力など犯罪者の生得的な資質に主眼を置く研究が生じましたが,1920年代以降は社会学的視点からの研究が主流となっています。また,処遇を視野に入れた心理学的な犯罪理論・アプローチは,心理学を学ぶ者にとっては馴染みのある考え方です。さらに,単なる静的な要因からの理論ではなく,処遇を視野に入れ,犯罪者の可塑性やニーズを把握していこうとするR-N-Rモデルも,現場では重要な考え方です。 授業では,各理論を学びながら,討論と講義を加えていきます。各理論を概括するだけでなく,実際の犯罪を,どのように説明していくことができるか,考察します。 今年度は2008年6月に生じた秋葉原事件を素材として,検討していく予定です。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
① 犯罪についての各理論を理解し,説明することができる。 ② 犯罪理論を用いて,現代社会に生じている犯罪を多角的に検討することができる。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
授業への参加状況(授業での発表,討議への積極的参加,振り返りシートの提出など)(70%),レポート(30%)の割合で,総合的に評価します。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
テキストは指定せず,適宜プリントを配布します。 参考文献:中島岳志『秋葉原事件』朝日新聞出版 芹沢俊介・高岡健『「孤独」から考える秋葉原無差別殺傷事件』批評社 加藤智大『解』批評社
|
5. |
準備学修の内容 |
|
発表準備へは十分時間をかけて取り組んでください。 発表者ではないときには授業での参加を重視しますが,平素から事件報道や身近な犯罪現象について,積極的に興味関心をもつようにし,専門家としての立ち位置を意識する習慣を持ってください。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
授業では,素朴な疑問を出し合い,活発な意見交換をすることを期待します。 一見,関連領域ではなくても,実務の中で,逸脱行為を扱う機会は将来必ずやってきます。自身の立ち位置を意識して,学んでください。 レポートの比重を低くし,平素の授業での取り組みを重視していますので,意欲的に参加してください。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | イントロダクション。犯罪や非行の「要因」について ① | 【第2回】 | 犯罪や非行の「要因」について ② | 【第3回】 | 「秋葉原事件」とその背景について | 【第4回】 | 生物学的要因論と秋葉原事件 ① | 【第5回】 | 生物学的要因論と秋葉原事件 ② | 【第6回】 | 社会心理学的要因論と秋葉原事件 ① | 【第7回】 | 社会心理学的要因論と秋葉原事件 ② | 【第8回】 | 心理学的要因論と秋葉原事件 ① | 【第9回】 | 心理学的要因論と秋葉原事件 ② | 【第10回】 | R-N-Rモデルと秋葉原事件 ① | 【第11回】 | R-N-Rモデルと秋葉原事件 ② | 【第12回】 | システム論と秋葉原事件 ① | 【第13回】 | システム論と秋葉原事件 ② | 【第14回】 | まとめ | 【第15回】 | レポート提出 |
|