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授業の概要(ねらい) |
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17世紀ヨーロッパに入ってきた「茶」はまたたく間にヨーロッパ人を魅了した。ヨーロッパ人にとって「茶」は「東洋」の神秘そのものであった。大航海時代のヨーロッパ人にとって「東洋」や「日本」とはどのような存在だったのか。「東洋」から来た「贅沢品」である「茶」とそれを飲むための「陶磁器」はヨーロッパ階級社会成立にどのような影響をもったのか。日本の「茶道」とヨーロッパにおける「紅茶」文化はどのように違うのか。さらに、19世紀イギリスにおいて日常の飲み物として定着する「茶」はどのようにしてイギリス人にとって「イギリス的」な飲み物となったのか。以上の疑問を解決するために様々な文献を渉猟する。
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授業の到達目標 |
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1.「茶」とヨーロッパ階級社会成立との関連を検証すること。 2.「茶」と「贅沢」という概念との関連を検証すること。 3.大航海時代のヨーロッパ人たちが日本に対してどのようなイメージをもったのかを検討すること。 4.日本の「茶道」とヨーロッパの「紅茶」文化の違いを分析すること。
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成績評価の方法および基準 |
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授業内発表50%、期末レポート50%
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教科書・参考書 |
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ヴェルナー・ゾンバルト『恋愛と贅沢と資本主義』金森誠也訳、講談社学術文庫、2000年。 ソースティン・ヴェブレン『有閑階級の理論』ちくま文芸文庫、1998年。 角山栄『茶の世界史』中公新書、1980年。 W. H. ユーカース著、杉本卓訳『ロマンス・オブ・ティー-緑茶と紅茶の1600年』八坂書房、2007年。 マルコ・ポーロ『東方見聞録1』東洋文庫158、平凡社、1970年。 シーボルト『江戸参府紀行』東洋文庫87、平凡社、1967年。 リンス・ホーステン『東方案内記』大航海時代叢書8、岩波書店、1968年。 ジョナサン・スウィフト『ガリヴァー旅行記』岩波文庫、1980年。 ド・クインシー『阿片常用者の告白』岩波文庫、2007年。 岡倉天心『茶の本』岩波文庫、1961年。
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準備学修の内容 |
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毎週の予習は必須。授業で扱う本は必ず事前に読んでおき、発言できるようにしておくこと。
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その他履修上の注意事項 |
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毎週出席すること。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 茶と「贅沢」、茶と「東洋」 | 【第2回】 | 「贅沢」誕生以前のヨーロッパ階級社会 | 【第3回】 | 「贅沢」の変遷 | 【第4回】 | 「顕示的閑暇」 | 【第5回】 | 「顕示的消費」 | 【第6回】 | ヨーロッパ大航海時代とマルコ・ポーロの東方旅行 | 【第7回】 | マルコ・ポーロが見た「ヤパン島」 | 【第8回】 | リンス・ホーテンが見た「ヤパン島」 | 【第9回】 | ジョナサン・スウィフトの「ヤパン島」 | 【第10回】 | ケンペルが見た江戸の飲茶 | 【第11回】 | 日本の茶の湯 | 【第12回】 | ロンドン万国博覧会に出展された日本の陶磁器 | 【第13回】 | ロマン主義の時代における茶とアヘン | 【第14回】 | ロマン主義の時代における茶のEnglishness | 【第15回】 | まとめ |
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