担当者 | 山下 雅之教員紹介 | |
---|---|---|
単位・開講先 | 選択 2単位 [社会学科] | |
科目ナンバリング | SOC-329 |
グローバルにおける社会学とは何か、19世紀後半の社会学の成立から現代に到る社会学は資本主義の精神とその残滓となった社会規範や集団や組織といったものとの妥協点として変遷をたどってきた。しかし21世紀に入り情報そしてバーチャルさらにアバターが現実世界に置き換わり、リアルを支配する。グローバル資本主義の展開を支えるのは金融であり、米ロ中の対立の構図をウクライナやウイグルさらにミャンマーへと局地化するものが石油、ガス、コットンなどの資源となっている。コロナ、オリンピック、選挙による民主主義のあえぎの中でGAFAを越える新たなミライとは・・・
フランス社会学の起源とされる思想と、その歴史的な背景について一定の理解を得る。キーとなるのがナポレオン、そしてナポレオン3世。
少人数の参加者により、各自の問題関心を優先する形でその深化をめざしながら、とくにグローバルに展開する資本主義の情報・生産システムと、リアルにあえぐ個人的意識との落差から生じるパーソナリティの弱点に焦点を当て、文化的メディアの果たす役割を考える。とりわけ日本社会において重度を成すのがジェンダー格差を固定する傾向をもったアイドル文化と、これに反するやおい的世界観のあそび感覚ということになるだろうか・・
学科の修得目標としては
自らの問題意識に基づき、調査研究対象とする課題を設定できる、
さまざまな情報ソースから探し出した関連事例を用いて、課題解決のアイディアを出すことができる、
収集した資料を論理的に読み解き、客観的な視点よりそれぞれの解決手法の評価を行い、課題の解決案を考え出すことができる、
グローバルな社会状況に関心を持ち、自分と異なる背景をもつ人々と価値観・文化・歴史を尊重しながら積極的に交流できる、
を掲げているので、これに沿った内容を目標とする。
授業内容を十分に理解し、自らの問題意識と重ね合わせてゼミで発表することができるかを総合的に判断する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | |||
参考文献 | 実証的精神論 | オーギュスト・コント | 岩波文庫 |
参考文献 | フランスのマンガ | 山下雅之 | 論創社 |
参考文献 | 動物化するポストモダン | 東 浩紀 | 講談社新書 |
授業内容に関連する資料の自主的な学習
各人の問題関心に合わせた十分な準備特に授業内でのプレゼンの活用を念頭に置く。
資料としては文献だけでなく、ネット上の文字データや画像、動画を活用できるようにする。
また日本語のサイトだけでなく、よりグローバルな視点から海外の外国語による情報も視野に入れてください。
各自の問題関心を明確にし、その関連分野から資料を集め、分りやすくまた視覚的要素を重視してプレゼンの資料を作成して下さい。
以下の授業内容は一例です。具体的な内容は参加者との相談で決めて行くよ・・
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | オーギュスト・コントの自伝にかかわる歴史的事件とナポレオン |
第2回 | 実証主義と社会学の要請 |
第3回 | ナポレオン3世による近代化事業と万国博覧会 |
第4回 | 社会科学と実験生理学 |
第5回 | コントからデュルケムへ |
第6回 | 資本主義の精神とグローバリズム |
第7回 | コロニアルからポストコロニアルへ |
第8回 | 政治支配なき権力 |
第9回 | 情報化社会の人流コントロール |
第10回 | 組織内の権力メカニズム |
第11回 | 68年5月の学生運動 |
第12回 | グローバル金融によるバブル経済 |
第13回 | 福祉社会の縮小と個人的ストレス |
第14回 | 極右ファシズムと伝統への回帰 |
第15回 | 情報からアバターへ |