担当者 | 高木 暢亮教員紹介 | |
---|---|---|
単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | ARC-102 |
前期の授業では、主に日本列島以外の旧石器時代から青銅器時代にかけての世界各地の諸文化について解説したが、後期の授業では、日本列島の先史時代から古墳時代にかけての話をすることになる。「日本の文化」は同質性の高い単一の文化だと思っている人も多いかと思うが、実はそうではない。南北に長い日本列島には様々な自然環境が存在し、それぞれの自然環境のなかで多様性のある文化が育まれてきた。このような多様性は、実は日本列島に最初にヒトが移住してきた旧石器時代の文化にすでにみることができる。この授業では、旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代の各時代に日本列島の各地でどのような文化が存在したのか、それぞれにどのような違いと共通点があるのかをみていくことになる。多様性を産み出すのが、地理的条件や気候の違いだとするならば、さまざまな文化間の共通性を作り出すのは、人と人との交流であるといえる。考古学的には、人間集団の移住や移動、集団間の交易、これらにともなう情報や技術の伝播として捉えることができる。特に弥生時代以降は人の移住や移動、交易、情報や技術の伝播が日本列島内にとどまらず、朝鮮半島や中国大陸といった東アジアの枠組みのなかで展開されるようになる。この点についても授業のなかで触れていく予定である。
1.日本列島の文化の多様性について理解すること。
2.中国大陸や朝鮮半島などの東アジア地域と日本列島との間の人・物・文化の交流について理解すること。
3.縄文時代・弥生時代・古墳時代の社会構造について理解すること。
最終授業で授業内テストを実施し、テストの結果によって成績を評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | |||
教科書 | |||
参考文献 | 参考文献は授業内で紹介する。 | ||
参考文献 |
参考文献のなかで、各回の授業内容に対応した部分に目を通し、大まかに理解をしておくこと。具体的な書名については授業の中で取り上げて紹介していく予定である。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | ガイダンス 授業の進め方の説明、参考文献の紹介など。 |
第2回 | 旧石器時代 日本列島へのヒトの移住と旧石器文化の解説。 |
第3回 | 縄文時代1 定住集落と土器の出現、縄文時代の始まりについての解説。 |
第4回 | 縄文時代2 縄文時代の生業活動、貝塚からわかることについての解説。 |
第5回 | 縄文時代3 縄文時代の集落と墓の解説。 |
第6回 | 縄文時代4 縄文時代に農耕は存在したか?縄文農耕論についての解説。(オンライン) |
第7回 | 弥生時代1 弥生時代の始まり。水田稲作技術の伝来と普及についての解説。 |
第8回 | 弥生時代2 日本列島における金属器の出現と展開1。弥生時代の青銅器についての解説。 |
第9回 | 弥生時代3 日本列島における金属器の出現と展開2。弥生時代の鉄器についての解説。 |
第10回 | 弥生時代4 弥生時代の集落。環濠集落や高地性集落についての解説。 |
第11回 | 弥生時代5 弥生時代の墓と副葬品、弥生墳丘墓についての解説。 |
第12回 | 古墳時代1 古墳時代の始まり。前方後円墳の出現と前期古墳の副葬品についての解説。 |
第13回 | 古墳時代2 中期古墳、特に新たに出現する横穴式石室や馬具、甲冑などについての解説。 |
第14回 | 古墳時代3 古墳時代後期~終末期古墳。前方後円墳の消滅、横穴墓の増加、装飾古墳や壁画古墳などについての解説。 |
第15回 | まとめとテスト |