担当者 | 喜多 康夫教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [法律学科 2018年度以降] | |
科目ナンバリング | ILA-303 |
新聞やテレビなどの報道機関の影響のせいか、各国政府の動向などの国際政治が着目される傾向が世間にはあるかと思います。そのためか、国際法についてよく理解されていなかったり、逆に誤解されることも多いかと思います。例えば、武力紛争が起こるたびに「国際法は死んだ」とか、「国際法は役に立たない」などと言われますが、このような発言は、国際法が国際関係において現実に果たしている役割を正しく理解しているとはいえません。平時であろうと戦時であろうと、主権国家の関係を規律するのが国際法の役割であって、それを理解することが重要です。
本講義の目的は、2つあります。第1の目的は、上記で指摘した国際法が実際に果たしている役割を学生諸君に知ってもらうことです。本講義では、国家領域や海洋などの空間に関する国際法を説明します。第2の目的は、国際法を通して学生諸君のリーガル・マインドの育成することにあります。そのため、判例解説に重点をおきたいと思います。
①国際法の基本知識をさらに発展させ、国際法秩序の全体像を理解できる。
②リーガルマインドを成長させることができる。
成績評価については、各回での質問票の評価(56%)とLMS試験(44%)に基づいて行います。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | レジュメで講義を行いますが、条約集は必須です。なお、条約集は年度初めにその年度のものが出版されるので、後日にお知らせします。 | ||
参考文献 | 『基本国際法(第3版)』 | 杉原高嶺 | (有斐閣、2018年) |
参考文献 | 『判例国際法(第3版)』 | 薬師寺公夫・坂元茂樹・浅田正彦・酒井啓亘 (編集代表) | (東信堂、2019年) |
LMSでPowerPointのスライドや国際法に関する論文のpdfファイルを授業資料として配布しますので、それらを事前に読んできてください。
【関連科目】国際法の授業は全体として「国際法Ⅰ(歴史・法源)」、「国際法Ⅱ(主体)」、「国際法Ⅲ(空間)」及び「国際法Ⅳ(秩序維持)」から構成されており、国際法の全体像を理解するためには、上記科目を履修することが望ましいと考えます。また、さらに国際法の専門分野として、「国際組織法Ⅰ/Ⅱ」「国際人権法」「国際安全保障法」「国際経済法Ⅰ/Ⅱ」「国際裁判所論Ⅰ」「国際刑事法Ⅰ/Ⅱ」などがあり、より深く勉強できるようになっています。
【学生へのメッセージ】本学ではセメスター制を採用しているので、「国際法Ⅲ(空間)」だけを受講するのは確かに可能ですが、この授業だけ履修しても授業内容が理解できないと思います。そこで、昨年度に「国際法Ⅰ(歴史・法源)」「国際法Ⅱ(主体)」を履修していない学生は、できれば本年度または来年度に「国際法Ⅰ(歴史・法源)」と「国際法Ⅱ(主体)」を履修してください。やる気のある学生をお待ちしています。
また第1回目のオリエンテーションで、授業のスケジュールと単位の取得方法などを説明するので、必ず出席するようにしてください。
質問のある学生は、yaskita@main.teikyo-u.ac.jpにまでメールを送ってください。なお、その場合は表題に「・・・の件」とした上で、氏名及び学籍番号と用件の内容をメール本文に記して送ってください。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション |
第2回 | 01. 領域権原(1):領域権原の概念と原初的権原 |
第3回 | 02. 領域権原(2):承継的権原と国境紛争 |
第4回 | 03. 日本の領土 |
第5回 | 04. 海洋の構造(1):領水 |
第6回 | 05. 海洋の構造(2):管轄海域 |
第7回 | 06. 海洋境界画定 |
第8回 | 07. 海洋生物資源管理 |
第9回 | 08. 船舶の通航権 |
第10回 | 09. 海上警察権 |
第11回 | 10. 海洋汚染問題 11. 海洋調査 |
第12回 | 12. 空域と国際航空法 |
第13回 | 13. 国際化区域 |
第14回 | 14. 国際機構による領域管理 |
第15回 | オンライン授業としての復習テストの実施 |