担当者 | 能勢 和宏教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | HEA-205 |
2016年の国民投票で下されたイギリスのEU離脱という決定は、ヨーロッパのみならず日本含む世界を驚かせました。また、その前にもウクライナをめぐるEUとロシアの対立、ギリシャを発端とするユーロ危機、シリアを中心とする中東諸国から大量に押し寄せる難民の問題など、ここ10年間、EUをめぐるニュースはEUの不安定さをあらわにするものが目立っているといえるでしょう。その一方で、2018年に日本はEUと経済連携協定を結び、今日日本とEUの関係は強化されている最中にあります。
このように今日EUはヨーロッパの状況に大きな影響を与える存在であるだけではなく、日本にとっても重要な存在となっています。では、EUとはどのような機関であり、他の国際機関と比べたとき、なぜここまでの重要性を秘めているのでしょうか。EUについて耳にする機会は多くても、その実態は謎めいたままなのではないでしょうか。この授業ではヨーロッパ統合の成り立ちを踏まえてEUの特徴を知ることで、EUの持つ歴史的・世界的な意義について学びます。
前期の授業では、EUの思想的な起源となる近世ヨーロッパの政治思想の説明から、EUの原型が築かれる1960年代までを扱います。また、今日EUをめぐる状況は日々変化しているので、そうした動きについても授業中に紹介していきます。
・ヨーロッパ統合とはいかなる事象なのかを知る
・人類の誕生・拡散から現代までの歴史を理解した上で、自分の関心のある分野・課題を明確化し、それらにしたがって科目を選択できる
・歴史理論・方法を理解できる
小テスト:30%、学期末試験:70%
小テストを事前に告知することなく行うので、授業内容について復習を欠かさないようにしておいてください。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ・授業運営方法に関するガイダンス ・EUの基本情報について学ぶ |
第2回 | ・「ヨーロッパ」とは何を意味するのか? ・「ヨーロッパ」概念の誕生と変遷について学ぶ |
第3回 | ・EUの思想的起源を探る① ・ホッブズ『リヴァイアサン』とサンピエール『永久平和論』を読む |
第4回 | ・EUの思想的起源を探る② ・ルソー『永久平和論批判』とカント『永遠平和のために』を読む |
第5回 | ・EUの思想的起源を探る③ ・クーデンホーフ=カレルギー『パンヨーロッパ』を読む |
第6回 | ・二度の世界大戦の与えたインパクト ・戦争の経験がヨーロッパに与えた影響を知る |
第7回 | ・第二次世界大戦後の世界 ・冷戦によるヨーロッパの分裂について学ぶ |
第8回 | ・ヨーロッパ統合の実現 ・シューマン・プランの発表とECSCの成立について学ぶ |
第9回 | ・1950年代前半のヨーロッパ統合 ・ECSCの活動とEDC・EPCの失敗の意義を知る |
第10回 | ・1950年代後半のヨーロッパ統合 ・EEC・EURATOMの設立について学ぶ |
第11回 | ・1960年代前半のヨーロッパ統合 ・EECの発展とイギリス加盟の拒絶について学ぶ |
第12回 | ・1960年代後半のヨーロッパ統合 ・シャルル・ドゴールの功罪について学ぶ |
第13回 | ・1969年ハーグ会議 ・「完成・深化・拡大」というスローガンからはじまる新たな局面を知る |
第14回 | ・ヨーロッパ統合史という学問領域 ・歴史的にヨーロッパ統合を分析することの意義を知る |
第15回 | ・オンライン授業 ・授業の総括を行い、1960年代までに成し遂げられたこと、成し遂げられていないことを知る |