本演習のねらいは、健康科学や運動科学の分野では細胞生物学的研究手法を用いてどのような研究が行われ、どのような課題が未解決かを把握することである。加えて、未解決課題に対する解決方法を提案し、自分なりの論理的仮説を立てることも目標とする。演習では実際に細胞生物学分野で行われている基本的な実験手技も体験し、自らの研究を進める上での注意点や研究計画の実現可能性、実行可能性について把握する。
「細胞生物学特講」で学修した理論的内容をもとに、健康分野において現在まで未解決の細胞生物学的課題について国内外の研究動向を踏まえて討議する。そのために、国内外の学術論文を精読し、未解決の課題について把握し、その具体的解決法を提案する。その過程で、各自の研究テーマへの理解も深化させる。
レポート(50%)とプレゼンテーション(50%)をルーブリックに従い評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 講義内で適宜資料を指示する。 | ||
参考文献 | Molecular Biology of the Cell | Bruce Alberts et al. | ニュートンプレス |
参考文献 | 無敵のバイオテクニカルシリーズ マウス・ラット実験ノート | 中釜 斉 他編 | 羊土社 |
講義では学術論文、実験書等を題材とするため、学術論文や実験書を理解する上で必要となる専門用語等については事前に各自で調べておく必要があります。
細胞生物学の研究手法や研究の知見は日進月歩であり、講義で全てを学ぶことはできません。したがって、各自でも常に最新の情報を得るようにして下さい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 細胞増殖・分化に着目し、健康スポーツに関する基礎科学分野としての知見について分子・個体レベルから討議する。(担当:浅野安信) |
第2回 | 運動器の形態形成に着目し、健康スポーツに関する基礎科学分野としての知見について分子・個体レベルから討議する。(担当:浅野安信) |
第3回 | 生殖および性差に着目し、健康スポーツに関する基礎科学分野としての知見について分子・個体レベルから討議する。(担当:浅野安信) |
第4回 | 幹細胞、再生に着目し、健康スポーツに関する基礎科学分野としての知見について分子・個体レベルから討議する。(担当:浅野安信) |
第5回 | 生命科学分野の学術雑誌から自分自身の研究分野に関わる論文を選び、抄読会形式で内容を討議する。(担当:浅野安信) |
第6回 | レジスタンストレーニングの健康への効果を最新の知見を基に分子・個体レベルから討議する。(担当:川田茂雄) |
第7回 | 老化や不活動での筋萎縮予防のための運動処方の効果を最新の知見を基に分子・個体レベルから討議する。(担当:川田茂雄) |
第8回 | 持久的トレーニングの健康への効果を最新の知見を基に分子・個体レベルから討議する。 (担当:川田茂雄) |
第9回 | 栄養、休養が健康へ与える影響を最新の知見を基に分子・個体レベルから討議する。 (担当:川田茂雄) |
第10回 | 骨格筋幹細胞を用いた実験実習 細胞の染色と観察 (担当:川田茂雄) |
第11回 | 実験動物の種類や扱い方(担当:小川佳子) |
第12回 | マウス・ラットの血圧測定と運動負荷実習(担当:小川佳子) |
第13回 | マウス・ラットを用いた解剖学実習 (1) 採血と臓器摘出(担当:小川佳子) |
第14回 | マウス・ラットを用いた解剖学実習 (2) 臓器サンプルの処理(担当:小川佳子) |
第15回 | マウス・ラットを用いた解剖学実習 (3) 臓器サンプルのタンパク定量とH2O2測定 (担当:小川佳子) |