ロジスティクス
担当者馬場 真哉教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [総合データ応用プログラム 総合データ応用プログラム]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

ロジスティクスでは、商品の調達から顧客への納品までを一貫して扱う。例えば顧客のクレームを防ぐことだけを考えると、極端に欠品を嫌がり、過剰な在庫を抱えてしまうかもしれない。ロジスティクスの理論を学ぶことで、このような局所最適に陥るのを防げるだろう。ロジスティクスの対象は幅広いが、この講義では主に在庫管理の問題を中心に扱う。ロジスティクスや生産管理の基本事項を解説した後、需要の変動などリスクや不確実がある状況への対処法を解説する。需要の変動に対応するためには、商品別の出荷量データが重要な役割を果たす。そのため、指数平滑化法など需要予測の理論や、流通データの基本的な分析技術もあわせて解説する。
この講義は、ディプロマ・ポリシーDP2に関連する科目であり、需要の変動に関わるデータを分析し、得られた結果から適切な計画を立案するための技術を解説する。
最適化に関わる計算や初歩的なデータ分析なども対象となるため、Excelを積極的に利用する。

授業の到達目標

①ロジスティクスの概要を理解し、その目的と必要性を説明できる
②在庫管理に関わる基本的な用語や理論を理解し、在庫変動シミュレーションをExcelで実施できる
③Excelを用いた基礎的なデータ分析の技術を身に付け、需要に関わるデータを分析し予測を実施できる

成績評価の方法および基準

各授業においてLMSで提出する小テストや課題で評価する。課題では、Excelファイルなどを提出する必要がある。
小テストや課題は、LMS上で解説を掲載するなどのフィードバックを実施する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献Excelによる生産管理―需要予測、在庫管理からJITまで大野 勝久朝倉書店
参考文献ロジスティクス概論 増補改訂版:基礎から学ぶシステムと経営苦瀬 博仁 (編著)白桃書房
参考文献入門オペレーションズ・リサーチ松井 泰子・根本 俊男・宇野 毅明東海大学出版部

準備学修の内容

参考書は複数指定した。講義の範囲外の内容も含まれるため、これらは副読本として利用すること。
予習の必要はないが、復習は必須である。授業後にLMSで課題が出されるので、これらを確実に実施すること。

その他履修上の注意事項

本授業は講義形式であり、オンデマンド型授業である。課題として出される分析作業については、各自が自分のパソコンで実施し、その結果をLMSで提出する。
Excelを用いた分析を多用する。可能な限り自分のパソコンにExcelをインストールして利用することが望ましい。

授業内容

授業内容
第1回<オリエンテーション>
 ロジスティクスの目的・数理モデルの初歩・Excelの初歩
第2回<数理モデルの基礎>
 損益分岐点の計算・単価の最適化・Excelによる計算
第3回<生産計画>
 生産計画問題とは・数理最適化の初歩・Excelによる計算
第4回<在庫管理の基礎>
 在庫管理に関わる用語・Excelによる在庫変動シミュレーション
第5回<経済的発注量>
 Harrisのモデル・経済的発注量の性質・Excelによる計算
第6回<1変量データの記述統計>
 需要が変動する場合におけるデータ分析の役割・ヒストグラム・統計量・Excelによる計算
第7回<需要の確率的変動>
 確率変数・確率分布・正規分布・二項分布・ポアソン分布・Excelによる計算
第8回<新聞売り子問題>
 問題設定・在庫切れになる確率の制御・安全在庫・最適発注量・Excelによる計算
第9回<確率的在庫変動シミュレーション>
 確率的在庫モデル・Excelによるシミュレーション
第10回<多変量データの記述統計>
 需要予測の重要性・様々なグラフ・相関係数・クロス集計表・層別分析
第11回<回帰分析の基礎>
 回帰分析の概要・最小二乗法・Excelによる計算
第12回<回帰分析の応用>
 重回帰・ダミー変数・共分散分析・Excelによる計算
第13回<時系列分析の基礎>
 時系列データの特徴・時系列データを分析する際の注意点・時系列予測の初歩・Excelによる計算
第14回<需要予測の基礎>
 指数平滑化法・自己回帰モデル・Excelによる計算
第15回<需要予測を用いた在庫管理シミュレーション>
 意思決定における予測の活用・Excelによるシミュレーション