ビジネス統計
担当者馬場 真哉教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [総合データ応用プログラム 総合データ応用プログラム]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

本授業の目的は、統計学の基礎をビジネスにおける実践的データの分析につなげる応用力を養い、データを用いた問題解決に取り組むための基礎的な能力を身に付けることにある。スコープは統計学全般にわたるが、主として度数分布表・ヒストグラム・相関係数・標本調査の理論・統計的推定・統計的仮説検定・回帰分析などを扱う。回帰分析ではダミー変数の利用や一般化線形モデルの利用など、応用的な内容も一部取り上げる。また、講義の後半ではビジネスデータを扱ううえで欠かせない技術である時系列分析を扱う。具体的にはSARIMAモデルや状態空間モデルを利用する。扱う問題としては、データの集計だけではなく、販売量の予測や、データの変動の解釈を統計モデルを用いて取り組む内容などをとりあげる。
本授業はディプロマ・ポリシーDP2に関連し、ビジネスに関連のあるデータを分析し、得られた結果を統計学の理論に基づき解釈する技術を身につけることを目指す。
本授業では分析のためにR言語を利用する。

授業の到達目標

①R言語を用いて、基本的な分析を実行できる
②記述統計・推測統計の基礎理論を理解し、初等的なデータ分析を実施できる
③回帰分析・一般化線形モデルを理解し、複数のデータの関連性を考慮した分析を実施できる
④時系列分析の初歩を理解し、時系列データを扱う際の落とし穴を把握したうえで、分析を実施できる

成績評価の方法および基準

各授業においてLMSで提出する小テストや課題で評価する。課題ではプログラミングの結果などを提出する必要がある。
課題・小テストは、LMS上で解説を掲載するなどのフィードバックを実施する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献R言語ではじめるプログラミングとデータ分析馬場 真哉ソシム
参考文献データ解析のための統計モデリング入門―一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC久保 拓弥岩波書店
参考文献時系列分析と状態空間モデルの基礎―RとStanで学ぶ理論と実装馬場 真哉プレアデス出版

準備学修の内容

参考書は複数指定した。講義の範囲外の内容も含まれるため、これらは副読本として利用すること。
予習の必要はないが、復習は必須である。授業後にLMSで課題が出されるので、これらを確実に実施すること。

その他履修上の注意事項

本授業は講義形式であり、はオンデマンド型授業である。課題として出される分析作業については、各自が自分のパソコンで実施し、その結果をLMSで提出する。
R言語を用いた分析を多用するため、大学のパソコンもしくは自分のパソコンでR言語を利用する必要がある。可能な限り自分のパソコンにR言語をインストールすることが望ましい。
R言語は無料で利用できる。インストール手順については初回授業で解説する。

授業内容

授業内容
第1回<オリエンテーション>
 ビジネスにおけるデータ活用・統計学の導入的解説・R言語のインストール手順
第2回<R言語の基礎文法>
 プログラミングの初歩・四則演算・コメント・変数の利用・関数の利用・データの型・データの構造
第3回<記述統計1:1変量データ>
 度数分布・ヒストグラム・1変量の統計量・R言語を用いた演習
第4回<記述統計2:多変量データ>
 共分散・相関係数・整然データ・層別分析・R言語を用いた演習
第5回<推測統計1:導入>
 標本と母集団の関係・確率変数・確率分布・モデルの基礎・R言語を用いた標本抽出シミュレーション
第6回<推測統計2:統計的推定>
 不偏推定量・一致推定量・母平均の推定・母分散の推定・R言語を用いた演習
第7回<推測統計3:統計的仮説検定>
 パラメトリックブートストラップ検定・二項検定・正規分布を利用した検定・R言語を用いた演習
第8回<回帰分析1:導入>
 回帰分析の初歩・最小二乗法・予測・R言語を用いた演習
第9回<回帰分析2:重回帰分析と共分散分析>
 重回帰分析・ダミー変数・共分散分析・R言語を用いた演習
第10回<一般化線形モデル1:導入>
 一般化線形モデルの初歩・最尤法・R言語を用いた演習
第11回<一般化線形モデル2:応用>
 応用事例・赤池の情報量規準・R言語を用いた演習
第12回<時系列分析1:導入>
 時系列分析の初歩・時系列データを扱う際の注意点・自己相関・ランダムウォーク・R言語を用いた演習
第13回<時系列分析2:Box-Jenkins法>
 Box-Jenkins法の初歩・ARモデル・MAモデル・ARMAモデル・ARIMAモデル・SARIMAモデル・モデルの評価・R言語を用いた演習
第14回<時系列分析3:状態空間モデルの基礎>
 状態空間モデルの初歩・ローカルレベルモデル・カルマンフィルタの初歩・R言語を用いた演習
第15回<時系列分析4:状態空間モデルの応用>
 トレンドの扱い・季節性・基本構造時系列モデル・時変係数モデル・R言語を用いた演習