Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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少年非行の要因 岡本 潤子
選択  2単位
【教育】 14-1-1360-3763-11A

1. 授業の内容(Course Description)

 「少年非行」は,単に「成人に達さない者が起こした,刑法に反する行為」だけではありません。実際にはもっと幅の広い概念であり,また,その発生には,個人的な要因と社会的な要因が複雑に絡み合っています。「少年非行」を理解するためには,個人が非行に至る要因を人間行動として見る視点,非行を生む社会や環境をエコロジカルなものとして見る視点など,複合的な姿勢が必要です。
 また,ひとは,犯罪や非行に興味を持ったり惹かれたりし,また,遠いものと感じたり嫌悪感を抱いたりもします。「少年非行」に対する,私たちの姿勢にもまた,連続性と不連続性,親近感と疎遠感が複雑に絡みます。
 本授業では,まず,「少年非行」の現状を把握し,社会現象としての犯罪や非行,人間行動としての犯罪や非行に関する各理論を概括します。また,少年の資質,家庭環境,社会環境と,非行との関係を考察し,さらに,各種非行の背景にある心理機制を検討していきます。授業では,「少年非行」への理解を深めるだけでなく,社会の一員である自身の感じ方も意識していきます。
 本授業は,秋期の授業「非行少年の処遇」につながっていく内容です。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ① 少年非行の実情,非行行動を説明する各理論を理解できる。
 ② 非行行動の心理機制を,個人,家庭,社会などとの関わりを含めて理解できる。
 ③ 社会の一員としての自分の「少年非行」についての姿勢を考察し,表現できる。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 定期試験の成績(70%)と,授業参加状況(30%)を総合して評価します。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキストは使用せず,講義に際してプリントを配布します。
 参考図書:『非行少年学入門』福島章著,中公新書
      『犯罪心理学』バートル&バートル著,北大路書房
      『法と心理学の事典』越智啓太外編集,朝倉書店
      『非行の理由』森武夫監修,専修大学出版局

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 参考図書に限らず,関連する書物,新聞,専門誌などを興味を持って読み,関心を広げてください。
 授業にあたっては,配布するプリントを確認し,授業時必ず持参するようにしてください。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 配布するプリントは概要なので,講義により内容を理解するようにしてください。
 授業中の私語や,他の学生の迷惑になる行為は慎むように。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 日本の犯罪・非行の現状
【第3回】
 「少年非行」の定義。各用語の意味。少年事件の手続きについて
【第4回】
 社会現象としての非行要因の理論 ①
【第5回】
 社会現象としての非行要因の理論 ②
【第6回】
 人間行動としての非行要因の理論 ①
【第7回】
 人間行動としての非行要因の理論 ②
【第8回】
 少年の資質と非行
【第9回】
 少年の家族と非行
【第10回】
 少年の仲間集団,学校,地域社会,マスコミと非行
【第11回】
 各種非行の心理機制 ①
【第12回】
 各種非行の心理機制 ②
【第13回】
 各種非行の心理機制 ③
【第14回】
 各種非行の心理機制 ④
【第15回】
 まとめ