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授業の内容(Course Description) |
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公共経済学は、政策課題を経済学的な視点から考えることを基本とする。ある程度確立された分析手法があるため、その手法を身につけて政策課題を経済学的な視点から議論できるようになることを目的とする。 授業は基本的にレジュメを使って行う。理解を深めるためにできるだけ具体例を多く用いて、その具体例をベースに理論について学習する。数式はできるだけ使わずに図表を用いて説明を行う。 公共経済学Ⅱでは、理論だけでなく制度的な部分にまで踏み込んで学習する予定である。理論についてはマクロ経済学の分野も取り扱う。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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この授業における到達目標は以下のとおりである。 (1)政府の行う政策課題について、経済学的な視点から議論することができる。 (2)日本の公共部門のもつさまざまな課題について自分の意見を述べることができる。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業中の課題・宿題など(20%)、期末試験(80%) 経済学の理論をベースとした問題である。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは使用しない。参考文献は以下の通り。 ・林正義・小川光・別所俊一郎(2010)『公共経済学』有斐閣アルマ。 ・スティグリッツ・ウォルシュ(2012)『入門経済学(第4版)』(第7章:公共部門)東洋経済新報社。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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基本的に予習をする必要はない。復習については以下の3点に注意しながら行ってほしい。 (1)新聞やニュースで関連する記事に目を通し、自分の考えを持つこと。 (2)授業の際に扱った専門用語を覚えること。 (3)授業で扱った理論について確認すること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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本講義は経済学の応用分野であり、経済学的手法を公共政策に応用させたものである。したがって無差別曲線や予算線といった基本的なミクロ経済学の知識や、45度分析や経済成長論などのマクロ経済学の知識があることが望ましい。ただし、授業では適宜、復習をする予定である。 政策に対する議論は、とかく感情的・主観的になりやすいが、この授業を通じて経済学的な視点から政策に対する議論ができるようになると思う。やや難しい部分もあるが、がんばってついてきてほしい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス(公共経済学とは何か。経済学的な思考方法) 【第2回】 資源配分機能(自然独占産業) 【第3回】 資源配分機能(公共財、外部性) 【第4回】 資源配分機能(情報の非対称性) 【第5回】 所得再分配機能(所得格差の是正、ローレンツ曲線) 【第6回】 所得再分配機能(負の所得税、価格政策) 【第7回】 所得再分配機能(年金政策) 【第8回】 経済安定化政策(マクロ経済学の復習、45度線分析) 【第9回】 経済安定化機能(財政政策の必要性、ビルトインスタビライザー) 【第10回】 経済安定化機能(金融政策) 【第11回】 公共部門の効率化1(費用便益分析) 【第12回】 公共部門の効率化2(Public Private Initiative) 【第13回】 貿易理論(自由貿易、保護貿易) 【第14回】 総復習1 【第15回】 総復習2
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