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授業の内容(Course Description) |
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「少年非行」の発生には,個人的な要因と社会的な要因が複雑に絡み合っています。「少年非行」を理解するためには,個人が非行に至る要因を人間行動として見る視点,非行を生む社会や環境をエコロジカルなものとして見る視点など,複合的な視点が必要です。また,ひとは,犯罪や非行に興味を持ったり惹かれたりし,また,遠いものと感じたり嫌悪感を抱いたりもします。「少年非行」に対する,私たちの姿勢には,連続性と不連続性,親近感と疎遠感が複雑に絡みます。 本授業では,まず,日本の「少年非行」の現状を把握し,社会現象としての犯罪や非行,人間行動としての犯罪や非行に関する各理論を概括します。また,少年の資質,家庭環境,社会環境と,非行との関係を考察し,さらに,各種非行の背景にある心理機制を検討していきます。 授業では,知識を深めるだけでなく,社会の一員である自身の感じ方も意識していきます。本授業は,秋期の授業「非行少年の処遇」につながっていく内容です。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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① 少年非行の実情について説明できる。 ② 非行行動を説明する生物学的理論,社会心理学的理論,心理学的理論を説明できる。 ③ 具体的な非行行動を,理論と関連付けて説明できる。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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定期試験の成績(70%)と,授業参加状況(30%)を総合して評価します。授業の参加状況は,出席だけではなく,授業内で不定期に実施するリフレクションペーパーの提出をあわせて判断します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは使用せず,講義に際してプリントを配布します。 参考図書:『非行心理学入門』福島章著,中公新書 『犯罪心理学』バートル&バートル著,北大路書房 『法と心理学の事典』越智啓太外編集,朝倉書店 『非行の理由』森武夫監修,専修大学出版局
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業で紹介する書物,新聞,専門誌,インターネットのサイトなどを興味を持って読み,関心を広げてください。 配布するプリントを確認・整理し,授業時必ず持参するようにしてください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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配布するプリントは概要なので,講義により細部を充実させ,内容を理解するようにしてください。授業では,知識を得るだけではなく,少年非行に対する自分の立ち位置を振り返る姿勢を持って臨んでください。 大教室での講義になりますので,授業中の私語や,他の学生の迷惑になる行為は慎んでください。 <重要>教室の大きさにあわせ,受講者を制限する可能性があります。その場合は初回の授業の出席に基づいて決めていきますので,受講を予定している人は,必ず初回授業に出席するようにしてください。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス 【第2回】 日本の犯罪・非行の傾向および現状 【第3回】 「少年非行」の定義。各用語の意味。少年事件の手続きについて 【第4回】 少年非行についての事実を知る 【第5回】 社会心理学的な非行要因の理論 ① 【第6回】 社会心理学的な非行要因の理論 ② 【第7回】 具体的なケースを検討する 【第8回】 生物学的な非行要因の理論 【第9回】 心理学的な非行要因の理論 ① 【第10回】 心理学的な非行要因の理論 ② 【第11回】 心理学的な非行要因の理論 ③ 【第12回】 非行の要因の変化 ① 【第13回】 非行の要因の変化 ② 【第14回】 テスト 【第15回】 まとめ
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