1. |
授業の内容(Course Description) |
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子どもたちによりよい学びを提供するために、教師は専門家としての力量を絶えず発展させていかねばならない。教師の専門家としての力量とは、なによりもまず授業力のことであるだろう。授業力を向上させるためには、過去の自分の(あるいはほかの教師の)授業を研究し、改善の糸口を探っていくのが何より確かで効果的な方法である。 しかし授業研究は適切なやりかたのもとでなされなければ、効果の薄いものになってしまうし、授業の改善につながりにくいものになってしまう。そこで本講義では、①授業研究をめぐる歴史や論点を振り返ることを通し、授業研究とは何かを明確に把握したうえで、②「相互行為としての授業」という観点からなされた研究事例の検討を通して、実際に授業研究をおこなっていくための基礎的な力の獲得をめざす。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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①授業研究のありかたについて豊富な知識を身につけている。 ②「相互行為としての授業」という観点から、実際に授業研究をおこなうための基礎力を身につけている。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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・平常点(各講義の最後に提出する小レポート):30% ・最終試験:70%
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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【テキスト】 特に指定しない。毎回の講義でレジュメや資料を配布する。 【参考文献】 ・日本教育学会編,2009,『日本の授業研究〈上巻〉――授業研究の歴史と教師教育』学文社. ・日本教育学会編,2009,『日本の授業研究〈下巻〉――授業研究の方法と形態』学文社.
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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・毎回の講義内容はたがいに関連しあっており、すでに講義した内容を前提にそれ以降の講義がおこなわれる。受講者は前回の講義で配布された資料を読み込み・復習したうえで次回の講義に臨むこと。 ・あらかじめ資料や文献を配布し、その読解を宿題とすることがある。その場合にはただ機械的に読むのではなく、そこから自分なりの意見を引き出すような読みをおこなうこと。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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・意見を求めたとき、臆さず進んで意見を表明するような積極的な態度で参加してほしい。 ・理由なく講義を欠席した場合、その回の資料は再配布しないので注意すること。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション――授業研究とは何か 【第2回】 何のための授業研究か――授業研究と教師の専門性 【第3回】 授業研究の歴史(1)――授業研究の起源と授業研究運動の展開 【第4回】 授業研究の歴史(2)――戦後の授業研究と現在 【第5回】 授業研究の論点(1)――授業研究とカリキュラム研究 【第6回】 授業研究の論点(2)――授業研究と教材研究 【第7回】 授業研究の論点(3)――授業研究と教科指導改善の諸アプローチ 【第8回】 授業実践をどう読み解くか?――相互行為として授業を見るということ 【第9回】 教師の働きかけを読み解く(1)――実際の研究事例から学ぶ 【第10回】 教師の働きかけを読み解く(2)――実際の研究事例から学ぶ 【第11回】 教師の働きかけを読み解く(3)――実際の研究事例から学ぶ 【第12回】 生徒の学びを読み解く(1)――実際の研究事例から学ぶ 【第13回】 生徒の学びを読み解く(2)――実際の研究事例から学ぶ 【第14回】 授業を読み解いた後に――どう授業の改善に活かすか 【第15回】 おわりに――講義全体のまとめと確認
(注:上記計画は、受講者の学習状況や問題関心に応じて変更することがあります。)
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