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授業の概要(ねらい) |
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テーマ:加害について(攻撃行動に焦点化して) 攻撃行動は,生物にとって生命の維持や種の保存のために不可欠な行動であり,社会的場面においても対人関係の中で生じる諸問題への対応行動の一つとして機能しています。そして,犯罪・非行行動の多くは,攻撃的要素を内在しています。従来から攻撃行動は,本能論,あるいはフラストレーション理論により説明されてきましたが,近年では,こうした個体の内的過程による説明だけではなく,攻撃行動を社会的行動の一つであるとして社会的学習理論により説明するすることが多くなっています。 本授業では,攻撃の心理学に関するテーマを,班別に選択し,関連文献や研究を調べてまとめ,発表していきます。また,授業の後半では,実際に生じた事件を題材に,攻撃行動について学んだことを当てはめて検討していきます。 発表では,司会進行も学生が行います。知識の獲得だけでなく,班活動での関わりや発表の方法についてのスキルも学んでいく授業です。 秋の授業「被害について」につながっていく内容です。
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授業の到達目標 |
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① 攻撃行動の諸側面を,心理学的に理解し,説明することができる。 ② 攻撃行動についての知識を使って,実際の社会現象や研究を検討することができる。 ③ 班別で協力して,課題について調べ,その結果を効果的に伝え,議論が広がるように工夫して発表できる。
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成績評価の方法および基準 |
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出席状況と振り返りシートの提出状況(20%),班ごとの発表と討論への参加(50%),レポート(30%)の割合で総合評価を行います。
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教科書・参考書 |
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テキストは指定せず,資料は適宜プリントを配布します。 参考文献:B.クラーエ『攻撃の心理学』北大路書房 大淵憲一『人を傷つける心―攻撃性の社会心理学』サイエンス社 高山文彦 『少年A 14歳の肖像』新潮文庫 少年A 『絶歌』太田出版 草薙厚子 『少年A 2500日矯正全記録』 文春文庫
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準備学修の内容 |
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班別で調べ,その結果を発表する形式で授業を進めるので,班での準備は,時間外で行う必要があります。効果的に発表が進められるよう,工夫することを期待します。 また,自身が発表の当番でなくても興味を持って,テーマについて予・復習してください。
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その他履修上の注意事項 |
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各自が工夫をして,フロアでの討議が活発になるよう,意欲的に発表してください。 発表者以外の参加者の積極的な議論に期待します。 授業の後半では,実際に起きた事件を題材としますので,興味本位に扱わないよう,気をつけてください。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 |
授業のガイダンス 授業のすすめ方,班別テーマ,発表順序・方法等 攻撃性についてのイントロダクション |
【第2回】 |
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【第3回】 |
発表と討論 (テーマの例) 攻撃の定義・攻撃行動の理論,攻撃行動の発達,攻撃性とパーソナリティー,攻撃行動の性差, 状況要因と攻撃,メディアと攻撃,学校・職場でのいじめ,攻撃的犯罪・非行,家庭内暴力,攻撃と性 など |
【第4回】 |
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【第5回】 |
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【第6回】 |
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【第7回】 |
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【第8回】 |
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【第9回】 |
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【第10回】 |
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【第11回】 |
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【第12回】 |
発表と討論。実際の事件(神戸事件を予定)を攻撃性・攻撃行動の理論から検討する。 |
【第13回】 |
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【第14回】 |
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【第15回】 |
まとめ,レポート提出 |
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