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授業の概要(ねらい) |
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カリキュラム≒教育課程とは、主には教え・学ばれるべきとされる内容とその計画を示すものである。日本においては文部科学大臣の告示する「学習指導要領」などがその典型だ。これは国家レベルのカリキュラムだが、もちろん他にも様々なレベル・種別のものが存在する。 注意しなければならないのは、現在採用されているカリキュラムが必ずしも全面的に正しいわけではないということである。その「正しさ」は、社会のありかたや時代状況によって変わりうるものだからだ。それゆえ私たちは教育の専門家として、子どもたちや社会の未来のために、いざカリキュラムの変革に立ち会ったときには自分なりの意見を表明し、よりよい方向に導いていく責任がある。 本講義は、カリキュラムをめぐる様々な知識を知り、多様な考え方に触れることで、あるべきカリキュラムの姿について自分なりの意見を形づくることをめざす講義である。
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2. |
授業の到達目標 |
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①カリキュラムについての豊富な知識を身につけている。 ②カリキュラムをめぐる多様な考え方を把握している。 ③①②を踏まえ、あるべきカリキュラムの姿について自分なりの意見をもっている。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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・中間レポート:30% ・最終試験:70%
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4. |
教科書・参考書 |
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【テキスト】 特に指定しない。毎回の講義でレジュメや資料を配布する。 【参考文献】 ・田中耕治・水原克敏・三石初雄・西岡加名恵、2005、『新しい時代の教育方法』有斐閣アルマ。
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5. |
準備学修の内容 |
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・毎回の講義内容はたがいに関連しあっており、すでに講義した内容を前提にそれ以降の講義がおこなわれる。受講者は前回の講義で配布された資料を読み込み・復習したうえで次回の講義に臨むこと。 ・あらかじめ資料や文献を配布し、その読解を宿題とすることがある。その場合にはただ機械的に読むのではなく、そこから自分なりの意見を引き出すような読みをおこなうこと。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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・意見を求めたとき、臆さず進んで意見を表明するような積極的な態度で参加してほしい。 ・理由なく講義を欠席した場合、その回の資料は再配布しないので注意すること。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
オリエンテーション――カリキュラム≒教育課程とは何か |
【第2回】 |
カリキュラムの「いま」を読み解く――学習指導要領の読解を通して |
【第3回】 |
日本のカリキュラムの変遷(1)――近代化のなかの教育課程 |
【第4回】 |
日本のカリキュラムの変遷(2)――戦後から現代へ |
【第5回】 |
カリキュラムの思想的基盤――経験主義と系統主義をめぐって |
【第6回】 |
論争から学ぶ(1)――「教科学習」をめぐって |
【第7回】 |
論争から学ぶ(2)――「総合学習」をめぐって |
【第8回】 |
論争から学ぶ(3)――「道徳」と「生活指導」をめぐって |
【第9回】 |
論争から学ぶ(4)――「学力」をめぐって |
【第10回】 |
カリキュラムと社会――教育課程と「社会」の再生産 |
【第11回】 |
意図からはずれた教育課程――「隠れたカリキュラム」について |
【第12回】 |
カリキュラムの国際比較――諸外国の教育課程改革 |
【第13回】 |
カリキュラム・マネジメント(1)――カリキュラムをどう編成するか? |
【第14回】 |
カリキュラム・マネジメント(2)――カリキュラムをどう評価するか? |
【第15回】 |
おわりに――講義全体のまとめと発展 (注:上記計画は、受講者の学習状況や問題関心に応じて変更することがあります。) |
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