Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:LAW-101
法学 I 長島 光一
【Ⅴ】  2単位
【Ⅴ 法律と政治のしくみを学ぶ】 18-1-1210-4430-011

1. 授業の概要(ねらい)

 多くの学生にとって、法学は、大学になって初めて勉強する科目だと思います。この「法学」の授業は、法学を初めて学ぶ学生を対象に、法学とはどのようなものかを学ぶ授業になります。
 法学は、社会の様々な問題とつながっていて、あらゆるテーマとも繋がる学問です。そこで、この授業では、医療問題にスポットを当てて、テーマごとに様々な事例を通じて、法学の全体像を理解します。そして、医療問題を通じて、法の役割と限界について問題意識を持ってもらい、法学で何をどこまでできるのかを一緒に考えます。また、それに加えて、法では解決できない問題について、政策にも目を向けることで、「法律と政治のしくみを学ぶ」作業をしていきます。

2.
授業の到達目標

 ・法学の基本的な分野(憲法、民法、刑法等)の知識を理解し、法的な問題を考える上でのレファレンス能力を身につける。
 ・社会における法の役割を理解し、各分野の問題に対して、自分の考えを持つことができる。
 ・今日の医療問題を理解し、法的な観点から分析することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 学期末に法的な知識と考え方が身についたかをテストします(70%)。
 また、毎回、授業と関連するいくつかの質問についてのリアクションペーパーを書いてもらいます。そこで書かれたことや発言等の授業への参加度も重視します(30%)。

4.
教科書・参考書

 教科書:奥田進一=高橋雅人=長友昭=長島光一編『法学入門』(成文堂、2018年)
 参考書:甲斐克則編『ブリッジブック医事法』(信山社、2008年)

5.
準備学修の内容

 予習について、検討課題の事例を事前に告知しますので、自分だったらどうか考えてみましょう。
 復習について、レジュメを再確認するとともに、リアクションペーパーの質問を改めて考えてみてください。
 次の週によい意見を紹介するので、他の人の考えも知ることができます。

6.
その他履修上の注意事項

 法学の中でも医療に焦点を当てて、それとの関係で、様々な法分野を勉強していきます。少しレベルは高いかもしれませんが、ドラマや映画、アニメ、ニュース映像等を見ながら、一緒に問題を考えていきます。一緒に法学を楽しみましょう。
 そして、法学について関心のある方だけでなく、医療過誤や生命倫理などの医療問題に関心のある方の受講も歓迎します。一緒に法学を通じて医療問題を考えましょう。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 法教育体験:法学の世界に誘います。
【第3回】
 法学の全体像:法学の全体像を理解した上で、医事法の体系と原則について理解します。
【第4回】
 医療と憲法:憲法の人権の考え方を理解した上で、自己決定権と患者の権利について考えます。
【第5回】
 医療と行政法:行政法の基本的な考え方を理解した上で、免許制度や法規制の在り方、医事衛生行政の課題を考えます。
【第6回】
 医療と民法・財産法:民法の基本原則と不法行為を中心に学び、医療過誤から民法の課題とその克服の理論を理解します。
【第7回】
 医療と民法・家族法:家族に関するルールを理解した上で、生殖補助医療を例に、法と科学の関係を考えます。
【第8回】
 医療と刑法:刑法の犯罪成立要件について学び、臓器移植、安楽死・尊厳死について検討します。
【第9回】
 医療と裁判:訴訟手続の流れを理解し、医療訴訟の難しさに対する克服を考えます。
【第10回】
 医療と労働法:労働法について理解し、医師の労働環境について考えます。
【第11回】
 医療と産業法:特許法や著作権などの知的財産法を理解し、医療特許の問題や競争法上の問題を検討します。
【第12回】
 医療と情報法:個人情報保護法について理解し、医療情報や遺伝子情報の取扱いを考えます。
【第13回】
 医療と倫理:生命倫理の考え方を理解し、医療と法にまつわるジレンマを考えます。
【第14回】
 現代医療の法的課題:精神科医療や薬害の判例から、法の役割とその限界について議論します。
【第15回】
 総まとめ