Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:LAW-102
法学 II 長島 光一
【Ⅴ】  2単位
【Ⅴ 法律と政治のしくみを学ぶ】 18-1-1210-4430-012

1. 授業の概要(ねらい)

 多くの学生にとって、法学は、大学になって初めて勉強する科目だと思います。この「法学」の授業は、法学を初めて学ぶ学生を対象に、法学とはどのようなものかを学ぶ授業になります。
 法学は、社会の様々な問題とつながっていて、あらゆるテーマとも繋がる学問です。そこで、この授業では、医療問題にスポットを当てて、テーマごとに様々な事例を通じて、法学の全体像を理解します。そして、環境問題を通じて、法の役割と限界について問題意識を持ってもらい、法学で何をどこまでできるのかを一緒に考えます。また、それに加えて、法では解決できない問題について、政策にも目を向けることで、「法律と政治のしくみを学ぶ」作業をしていきます。

2.
授業の到達目標

 ・法学の基本的な分野(憲法、民法、刑法等)の知識を理解し、法的な問題を考える上でのレファレンス能力を身につける。
 ・社会における法の役割を理解し、各分野の問題に対して、自分の考えを持つことができる。
 ・今日の環境問題を理解し、法的な観点から分析することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 学期末に法的な知識と考え方が身についたかをテストします(70%)。
 また、毎回、授業と関連するいくつかの質問についてのリアクションペーパーを書いてもらいます。そこで書かれたことや発言等の授業への参加度も重視します(30%)。

4.
教科書・参考書

 教科書:奥田進一=高橋雅人=長友昭=長島光一編『法学入門』(成文堂、2018年)
 参考書:交告尚史=臼杵知史=前田陽一=黒川哲志『環境法入門(第3版)』(有斐閣、2015年)

5.
準備学修の内容

 予習について、検討課題の事例を事前に告知しますので、自分だったらどうか考えてみましょう。
 復習について、レジュメを再確認するとともに、リアクションペーパーの質問を改めて考えてみてください。次の週によい意見を紹介するので、他の人の考えも知ることができます。

6.
その他履修上の注意事項

 法学の中でも環境に焦点を当てて、それとの関係で、様々な法分野を勉強していきます。少しレベルは高いかもしれませんが、ドラマや映画、アニメ、ニュース映像等を見ながら、一緒に問題を考えていきます。一緒に法学を楽しみましょう。
 そして、法学について関心のある方だけでなく、公害や自然保護などの環境問題に関心のある方の受講も歓迎します。一緒に地球のことを考えましょう。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 法教育体験:法学の世界に誘います。
【第3回】
 法学の全体像:法学の全体像を理解した上で、環境法の体系・法原則について理解します。
【第4回】
 環境と憲法・人権:憲法の人権の考え方を理解した上で、環境権について考えます。
【第5回】
 環境と憲法・統治:憲法の統治のあり方を理解し、法律がどのようにできるのか、環境基本法やそ の他の環境立法の成立過程を例に理解します。
【第6回】
 環境と行政法:行政法の基本的な考え方を理解した上で、環境行政の課題を探ります。
【第7回】
 環境と民法:民法の基本原則や不法行為を中心に学び、四大公害事件から民法の課題とその克服の歴史をたどります。
【第8回】
 環境と企業法:商法や会社法を理解し、環境ビジネスについて考えます。
【第9回】
 環境と刑法:刑法の犯罪成立要件について学び、環境犯罪の是非を検討します。
【第10回】
 環境と裁判:訴訟手続の流れを理解し、環境訴訟の困難さに対する克服を考えます。
【第11回】
 環境と法政策:どのように政策を立案するのか、景観問題を参考に考えます。
【第12回】
 環境と国際法:国際的な合意をどのように実現して国際条約が作られるのか、環境関係の条約を例に理解します。
【第13回】
 環境から考える法と科学のあり方:科学に対して法がどのように接すべきか、原発問題から考えます。
【第14回】
 現代の環境問題の法的課題:法哲学を参考に、法主体として一人一人の役割を理解することで、自然保護問題にどのように立ち向かうのかを考えます。また、東日本大震災等の災害についても考えます。
【第15回】
 総まとめ