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授業の概要(ねらい) |
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本講義では、教育の基礎概念や基本理念――すなわち教育の「本質」とはいかなるものであるのかについて学ぶとともに、それがこれまでの歴史やそこに埋め込まれた思想においていかに立ち現れ、また変遷してきたのかについて学び、また同時にその具体層としてのこれまでの教育や学校、そこにおける実践のありかたがどのように発生・展開し、また問題視され、変遷してきたのかについて理解することを目的とする。 より具体的には以下の3点を目標とする。(1)教育の基礎概念及び基本理念を身につけるとともに、教育を成り立たしめている諸要素とそれらの相互関係を理解する。(2)教育の歴史に関する基礎的知識を身につけ、その歴史と多様な教育の概念・理念とのかかわりや、過去から現代に至るまでの教育及び学校、そこにおける実践の変遷を理解する。(3)教育に関する様々な思想とその競合関係、それら思想と多様な教育の概念・理念や実際の教育及び学校、そこにおける実践とのかかわりを理解している。
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2. |
授業の到達目標 |
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(1)教育学の諸概念並びに教育の本質及び目標を理解している。 (2)子供、教員、家庭、学校等教育を成り立たせる要素とそれらの相互関係を理解している。 (3)家族と社会による教育の歴史を理解している。 (4)近代教育制度の成立と展開を理解している。 (5)現代社会における教育課題を歴史的な視点から理解している。 (6)家庭や子供に関わる教育の思想を理解している。 (7)学校や学習に関わる教育の思想を理解している。 (8)代表的な教育家の思想を理解している。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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・グループワークの成果物:40% ・最終試験:60%
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教科書・参考書 |
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・教科書は特に指定しない。毎回の講義でレジュメや資料を配布する。 ・参考文献は授業内でも適宜紹介するが、さしあたり以下を挙げておく。 (1)汐見稔幸ほか編著、2011、『よくわかる教育原理』ミネルヴァ書房。 (2)田嶋一・中野新之祐・福田須美子・狩野浩二、2016、『やさしい教育原理 第3版』有斐閣アルマ。 (3)筒井美紀・遠藤野ゆり、2013、『教育を原理する――自己にたち返る学び』法政大学出版局。
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5. |
準備学修の内容 |
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・毎回の講義内容はたがいに関連しあっており、すでに講義した内容を前提にそれ以降の講義がおこなわれる。受講生は前回の講義で配布された資料を読み込み、丹念に復習したうえで次回の講義に臨むこと。 ・あらかじめ文献を読解しておくなどの「宿題」を課すことがある。その場合にはただ機械的にこなすのではなく、そこから自分なりの主張を引き出し・展開するような取り組みをおこなうこと。
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その他履修上の注意事項 |
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・授業中に意見を求めたときには、臆さずすすんで意見を表明するような積極的な態度で受講すること。 ・本講義ではほぼ毎回の授業でグループワークを課す。そのさいには他人任せにせず、みずからの意見を積極的に主張し、グループでの討議に貢献すること。 ・理由なく講義を欠席した場合、その回の資料は再配布しない。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | ひとはなぜ教え・学ぶのか――教育の社会的機能と個人的意義 | 【第2回】 | ひとはなぜ学校に行くのか――家庭での「しつけ」と学校教育のちがい | 【第3回】 | 教育の制度的基盤(1)――教育法と権利・義務 | 【第4回】 | 教育の制度的基盤(2)――学校と生涯学習の体系 | 【第5回】 | 教育の制度的基盤(3)――障害児教育制度と私学制度 | 【第6回】 | 歴史のなかの教育(1)――古代と中世における教育:義務教育以前 | 【第7回】 | 歴史のなかの教育(2)――近代と現代における教育:義務教育の成立と展開 | 【第8回】 | 教育を支える思想(1)――古代の教育思想 | 【第9回】 | 教育を支える思想(2)――中世の教育思想 | 【第10回】 | 教育を支える思想(3)――近代の教育思想:ルソーとペスタロッチ | 【第11回】 | 教育を支える思想(4)――近代の教育思想:フレーベルとヘルバルト | 【第12回】 | 教育を支える思想(5)――近代の教育思想:デューイとブルーナー | 【第13回】 | 論争から学ぶ(1)――戦後初期問題解決学習論争とゆとり教育批判 | 【第14回】 | 論争から学ぶ(2)――学力論争と学力低下論争 | 【第15回】 | 教育はどうあるべきか――みずからなりの「主張」を組み立てる |
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