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授業の概要(ねらい) |
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心という目に見えないものをどのように研究することができるのか,本講義ではその概略を示す。 心理学の研究方法は多様であり,研究内容や対象によって方法には大きな違いがある。しかも,人が人を研究することでのいくつもの困難が生じる。本講義では,心理学的研究法を「実験的研究」と「観察的研究」に分けて論じ,研究上の倫理的問題や研究の実施について具体的なイメージが持てるように解説する。 各分野の研究方法の実際や様々な心理学的研究法については,2年次の心理学研究法Ⅰ~Ⅳに置いて学ぶため,本講義はその基礎をなすものである。
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授業の到達目標 |
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1.心理学的研究における倫理的配慮や研究倫理について説明できる。 2.心理学におけるいくつかの研究方法について解説できる。 3.心理学的研究の実施の具体的な流れと留意点について理解する。 4.心理学的な研究をしたいという意欲を持ち,2年次以降の演習に期待をもつ。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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学期末の試験(持ち込み不可)60%,授業中に随時行う課題による評価 40%
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教科書・参考書 |
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教科書 『心理学研究法:心を見つめる科学のまなざし 補訂版』 高野陽太郎・岡隆(編) 有斐閣(2017) 参考書 『なるほど!心理学研究法』 三浦麻子(監修・著) 北大路書房(2017) 『いまさら聞けない疑問に答える 心理学研究法のキホンQ&A100』 ニール・J・サルキンド(著)畑中美穂(訳) 新曜社
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準備学修の内容 |
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教科書を読んであらかじめ予習をしておくこと。教科書を読んできていることを前提に授業を進めます。通学での交通機関の中や,日常のわずかな時間を利用して教科書を読み,学習時間を作ってください。勉強の習慣を1年次の内に作り,2年次以降の実験,検査・測定の演習的授業,さらにはその先の心理学的研究の実践に備えてください。
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その他履修上の注意事項 |
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あらかじめ心理学に関する自分ながらの簡単な問いを持ち,自分で研究を計画するつもりになって授業に参加してください。簡単な研究であっても,卒業するまでには自分で実施し,解決することを目指してください。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 科学とは,科学的とは,因果関係を実証するとはどういうことか(1章) | 【第2回】 | データを用いた実証の論理的構造と様々な研究法(2章) | 【第3回】 | 人を研究することに伴う問題(9章) | 【第4回】 | 研究者の態度と研究者倫理(9章) | 【第5回】 | 実験的研究:実験操作と様々な実験法(7章) | 【第6回】 | 実験的研究:独立変数(4章) | 【第7回】 | 実験的研究:従属変数(5章) | 【第8回】 | 実験的研究:余剰変数の統制(6章) | 【第9回】 | 検査と尺度構成(12章) | 【第10回】 | 調査法(10章) | 【第11回】 | 観察法(11章) | 【第12回】 | 質的研究法と面接法,事例研究(13章) | 【第13回】 | 研究の立案と研究の実施 | 【第14回】 | 研究結果の解釈と統計の力(15章,16章) | 【第15回】 | まとめと試験 |
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