Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:EDU-306
カリキュラム論 森  一平
選択  2単位
【初等教育】 18-1-1333-4234-020A

1. 授業の概要(ねらい)

 カリキュラム/教育課程とは、主には教え・学ばれるべきとされる内容とその計画を示すものである。日本においては文部科学大臣の告示する「学習指導要領」などがその典型だ。これは国家レベルのカリキュラムだが、もちろん他にも様々なレベル・種別のものが存在する。
 注意しなければならないのは、現在採用されているカリキュラムが必ずしも全面的に正しいわけではないということである。その「正しさ」は、社会のありかたや時代状況によって変わりうるものだからだ。それゆえ私たちは教育の専門家として、子どもたちや社会の未来のために、いざカリキュラムの変革に立ち会ったときには自分なりの意見を表明し、よりよい方向に導いていく責任がある。
 本講義は、カリキュラムをめぐる様々な知識を知り、多様な考え方に触れることで、あるべきカリキュラムの姿について自分なりの意見を形づくることをめざす講義である。

2.
授業の到達目標

 ①新しい学習指導要領のポイントと背景を説明できる。
 ②カリキュラムの歴史的展開を踏まえて、あるべきカリキュラムの姿について自分なりの意見を主張できる。
 ③②の意見を個別の教科・領域の、及びそれを横断した具体的なカリキュラム像に落とし込むことができる。

3.
成績評価の方法および基準

 ・各授業回/授業後の小課題:10%
 ・中間レポート:30%
 ・最終試験:60%

4.
教科書・参考書

 【テキスト】
  特に指定しない。毎回の講義でレジュメや資料を配布する。
 【参考文献】
  ・奈須正裕、2017、『「資質・能力」と学びのメカニズム』東洋館出版社。
  ・田中耕治編著、2017、『戦後日本教育方法論史(下)――各教科・領域等における理論と実践』ミネルヴァ書房。

5.
準備学修の内容

 ・毎回の講義内容はたがいに関連しあっており、すでに講義した内容を前提にそれ以降の講義がおこなわれる。受講者は前回の講義で配布された資料を読み込み、充分に復習したうえで次回の講義に臨むこと。
 ・あらかじめ資料や文献を配布し、その読解を宿題とすることがある。その場合にはただ機械的に読むのではなく、そこから自分なりの意見を引き出すような読みをおこなうこと。

6.
その他履修上の注意事項

 ・意見を求めたとき、臆さず進んで意見を表明するような積極的な態度で参加してほしい。
 ・理由なく講義を欠席した場合、その回の資料は再配布しないので注意すること。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション――カリキュラム/教育課程とは何か
【第2回】
 カリキュラムの「いま」を読み解く(1)――新学習指導要領の背景とポイント
【第3回】
 カリキュラムの「いま」を読み解く(2)――現代の「資質・能力」と、その思想的背景
【第4回】
 カリキュラムの「いま」を読み解く(3)――教育課程を「社会に開く」とはどういうことか
【第5回】
 カリキュラムの「いま」を読み解く(4)――「見方・考え方」の見方・考え方
【第6回】
 カリキュラムの「いま」を読み解く(5)――「主体的・対話的で深い学び」と学習論
【第7回】
 カリキュラムの歴史(1)――戦後日本におけるカリキュラム(論)の歴史的展開
【第8回】
 カリキュラムの歴史(2)――国語科カリキュラム(論)の歴史的展開
【第9回】
 カリキュラムの歴史(3)――算数・数学科カリキュラム(論)の歴史的展開
【第10回】
 カリキュラムの歴史(4)――理科カリキュラム(論)の歴史的展開
【第11回】
 カリキュラムの歴史(5)――社会科カリキュラム(論)の歴史的展開
【第12回】
 カリキュラム・マネジメント(1)――カリキュラム編成の見方・考え方
【第13回】
 カリキュラム・マネジメント(2)――生活科を軸とした横断的カリキュラム編成
【第14回】
 カリキュラム・マネジメント(3)――総合的な学習の時間を軸とした横断的カリキュラム編成
【第15回】
 おわりに――講義全体のまとめと発展
 (注:上記計画は、受講者の学習状況や問題関心に応じて変更することがあります。)