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授業の概要(ねらい) |
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そもそも家族とは何か,という問いが,奥深い意味を持ちます。家族はひとを育み癒す滋養の環境であると同時に,最も激しい感情を引き起こし多くの紛争を生む巣窟でもあります。
この授業では,一見誰もがわかったつもりでいる「家族」を,臨床心理学的な視点で,様々な面から問い直し,絶えず動き,呼吸をしているものとして家族をとらえなおしていきます。
授業では,家族についての様々な事実を紹介するだけでなく,システムとして家族をとらえ,家族そのものの発達の中で子どもや家族員が体験する諸相を見ていきます。
講義が中心の進行になりますが,受講する学生には,自分自身の家族についての枠組みを問い直し,新しい発見を求める意欲的な気持ちで授業に参加する姿勢を期待します。
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授業の到達目標 |
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① 家族の定義及び家族の変遷について説明できる。
② 家族ライフサイクルなど,家族の発展・成長・変化についてのとらえ方を理解し,説明できる。
③ 家族をシステムとしてとらえる臨床的視座について理解し,説明できる。
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成績評価の方法および基準 |
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定期試験の成績(70%)と,授業参加状況(30%)を総合して評価します。授業参加状況とは,カードリーダーによる各授業の出席数ではなく,授業内で求めた発言の内容や,不定期に実施する振り返りシートの提出の状況とその内容の評価のことを指します。
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教科書・参考書 |
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テキストは使用せず,毎回,授業のレジュメを配布します。
参考図書:中釜洋子他『家族心理学』有斐閣ブックス
村尾泰弘『家族臨床心理学入門』北樹出版
亀口憲治『家族臨床心理学―子供の問題を家族で解決する』東京大学出版会
シャファー,H.R.『子どもの養育に心理学がいえること』新曜社
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準備学修の内容 |
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授業で紹介する書物,ニュース,インターネットサイトなどを,興味を持って読み,関心を広げてください。
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その他履修上の注意事項 |
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① 配布するレジュメは概要なので,講義や,自主的な学修により,充実させ,内容を理解するようにしてください。
② 個人の体験だけからでなく,多角的に家族を見る姿勢を身につける努力をしてください。
③ 授業中は,私語や他の学生の迷惑になる行為は慎んでください。
④ 心理学の研究調査への協力を複数回予定しています。研究への参加体験としてご協力ください。
⑤ <重要>教室の大きさに合わせ,受講者の制限する可能性があります。その場合は初回の授業の出席に基づいて受講者を決めていきます。受講を予定している人は,必ず初回授業に出席してください。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション。家族とは | 【第2回】 | 家族の現状。家族の歴史 | 【第3回】 | 家族をシステムとしてみるとは | 【第4回】 | 家族の発達 ① | 【第5回】 | 家族の発達 ② | 【第6回】 | 子どもと家族 ① | 【第7回】 | 子どもと家族 ② | 【第8回】 | 犯罪と家族 ① | 【第9回】 | 犯罪と家族 ② | 【第10回】 | 離婚と家族 ① | 【第11回】 | 離婚と家族 ② | 【第12回】 | 家族療法 ① | 【第13回】 | 家族療法 ② | 【第14回】 | テスト | 【第15回】 | 振り返りとまとめ |
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