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授業の概要(ねらい) |
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犯罪行為に対する処罰の判断と行使とを国家に付託するのは,社会の秩序を維持するための仕組みだったはずです。被害者は,自身の被害を申告し,被疑者が正当な判断により妥当な処罰を受けることを期待します。被害者は,被疑者の処罰について,直接手を下す必要もなく,また,その権利もありません。そして,自身の受けた被害については,別途民事手続きによって損害の回復を図ります。 様々な要因により,この仕組みに対する不満が声高に言われるようになっています。特に,公開の法廷で審理される成人の事件と異なり,非公開で行われる未成年の犯罪行為を扱う家庭裁判所の審理では,被害者の権利よりも被疑少年の権利の方が守られている,というような主張も聞かれます。 しかし,被害者と犯罪者の思いは,果たして,永遠に平行線をたどるのでしょうか。被害者と犯罪者との対話によって,解決されるものはないでしょうか。 授業では,修復的司法についての研究者と,各現場の専門家たちによるテキストを丁寧に読み進め,社会における犯罪・非行についても考えていきます。具体的には,班別に担当箇所を分担して発表し,討論の司会もしていきます。
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授業の到達目標 |
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① 修復的司法の意味・意義について理解し,説明することができる。 ② 修復的司法の実践について学び,現状の利点と限界について説明できる。 ③ 調べたことやまとめたことを,適切に発表し,また,関心を持って討論に参加できる。 ④ テキストの内容や討論を生かし,自分なりに考え,意見を形成できる。
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成績評価の方法および基準 |
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授業への参加状況(振り返りシートの提出と内容,討論への参加の状況)(40%),発表担当のときの資料及び発表の内容(30%),レポート(30%)を総合的に評価します。
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教科書・参考書 |
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藤岡淳子編『被害者と加害者の対話による回復を求めて』誠信書房
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準備学修の内容 |
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発表者であるか否かに関わらず,事前にテキストを読み,自分なりの問いを立てて授業に臨んでください。 発表の準備は,班ごとに工夫して行いますが,時間外に行う必要があります。
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その他履修上の注意事項 |
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テキストはいわゆる入門書ではないので,これまでに犯罪や非行についての授業を履修していない人には,少し難しい内容です。テキストを読むスピードはあまり急がず,十分に解説を入れながら進めていく予定ですが,疑問点は進んで調べ,また,質問をするなどの,積極的な参加を期待します。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション。発表の分担決めなど。 | 【第2回】 | 犯罪手続きの流れ,基本的法律や処罰の種類などについての授業 | 【第3回】 | 発表と討論① 第1章 犯罪をめぐる「体験」について考える | 【第4回】 | 発表と討論② 第2章 修復的司法とは | 【第5回】 | まとめと討論 | 【第6回】 | 発表と討論③ 第3章 被害者加害者対話とは | 【第7回】 | 発表と討論④ 第4章 当事者はVOMについてどう考えるか(第1節) | 【第8回】 | まとめと討論 | 【第9回】 | 発表と討論⑤ 第4章 当事者はVOMについてどう考えるか(第2節) | 【第10回】 | 発表と討論⑥ 第5章 警察における修復的司法の現状と課題 | 【第11回】 | まとめと討論 | 【第12回】 | 発表と討論⑦ 第6章 家庭裁判所における修復的司法の現状と課題 第1節前半 | 【第13回】 | 発表と討論⑧ 第6章 家庭裁判所における修復的司法の現状と課題 第1節後半 | 【第14回】 | 発表と討論⑨ 第6章 家庭裁判所における修復的司法の現状と課題 第2節 | 【第15回】 | 春期全体のまとめ |
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