1. |
授業の概要(ねらい) |
|
教師とは、子どもたちによりよき学びを提供する職業である。そうである以上、教師が行う教育はでたらめに行われてはならず、洗練された方法に裏づけられたものでなければならない。 私たちはみな学校教育を経験してきているから、すでに教師の用いる教育方法を、いくらかは体験的に知っている。そしてそれを真似てみることは、実はそう難しいことではない。しかし、物真似がオリジナルのすべてを汲みつくせるわけではないし、そもそもその方法に問題がないとは限らない。したがって教師を志す者は、自分なりのよりよき教育方法をみずから作りあげていく必要がある。 そのために本講義では、教育方法をめぐる原理的な知識の数々を学んでいくことで、多角的な視点から自分なりの・よりよい教育方法を考案する力の獲得をめざす。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
①教育方法をめぐる原理的な知識を豊富に身につけている。 ②そうした知識を活かし、多角的な視野から教育の改善に資するような独自の教育方法を考案することができる。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
・中間レポート(orグループワークの成果物):40% ・最終試験:60%
|
4. |
教科書・参考書 |
|
【テキスト】 特に指定しない。毎回の講義でレジュメや資料を配布する。 【参考文献】 ・佐藤学、1996、『教育方法学』岩波書店。 ・佐藤学、2010、『教育の方法』左右社。 ・田中耕治・鶴田清司・橋本美保・藤村宣之、2012、『新しい時代の教育方法』有斐閣アルマ。
|
5. |
準備学修の内容 |
|
・毎回の講義内容はたがいに関連しあっており、すでに講義した内容を前提にそれ以降の講義がおこなわれる。受講者は前回の講義で配布された資料を読み込み・復習したうえで次回の講義に臨むこと。 ・あらかじめ資料や文献を配布し、その読解を宿題とすることがある。その場合にはただ機械的に読むのではなく、そこから自分なりの意見を引き出すような読みをおこなうこと。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
・意見を求めたとき、臆さず進んで意見を表明するような積極的な態度で参加してほしい。 ・理由なく講義を欠席した場合、その回の資料は再配布しないので注意すること。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | オリエンテーション――教育方法論を学ぶとはどういうことか | 【第2回】 | 教育方法論の歴史(1)――国民教育期までの展開 | 【第3回】 | 教育方法論の歴史(2)――新教育運動以降の展開 | 【第4回】 | 教育方法論の歴史(3)――日本における教育方法論の歴史 | 【第5回】 | 子どもたちはどう学ぶのか――「学習論」の検討 | 【第6回】 | 子どもたちは何を学ぶのか――「学力論」の検討 | 【第7回】 | 授業をめぐるパラダイムの転換(1)――教育目標と評価をめぐって | 【第8回】 | 授業をめぐるパラダイムの転換(2)――教授‐学習過程をめぐって | 【第9回】 | 授業のコミュニケーション構造(1)――発言の順番交代組織について | 【第10回】 | 授業のコミュニケーション構造(2)――行為の連鎖組織について | 【第11回】 | 授業のコミュニケーション構造(3)――トラブルの修復組織について | 【第12回】 | 学習の環境づくり(1)――学びを促進する教材と施設 | 【第13回】 | 学習の環境づくり(2)――情報・通信テクノロジーの利用 | 【第14回】 | 専門家としての教師――教職の「専門性」とは何か | 【第15回】 | おわりに――講義全体のまとめと発展 (注:上記計画は、受講者の学習状況や問題関心に応じて変更することがあります。) |
|