担当者 | 濱田 陽教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [日本文化学科] | |
科目ナンバリング | PHE-201 |
本授業では、日本及び世界において新たな問題提起を投げかける多様な映像、小説、哲学的書物に同時並行的にふれていく。各回の講義は、数種類の作品に接するよう組み立てられる予定である。優れた作品内容と自身の考察を簡潔にまとめる学びを継続、蓄積することで、日本文化と人間文化を哲学的に考察する文化学、人文学の基本姿勢を身につける。
この授業では人間文化を自然、生きもの、人、つくられたもの、人知を超えるものの五つの存在と人の関係から生じるものとしてとらえる。受講者は自らの人としての存在を問い直しながら、どのような存在関係によって日本文化を受けとめるかについて思索を重ねていくことになる。
春学期では、人、社会、文化、文明が矛盾を抱え、限界に行き着いた後、各存在において新たな関係性が獲得されることによって復活に至るという広い意味での「死と再生」のテーマに取り組んでいく。
日本文化と人間文化への多角的な視座を養い、授業内容を適切に解説しながら自身の考察をまとめることのできる思考力、文章表現力を身につける。
出席、授業内期末試験により総合評価
*試験テーマは最終講義日2週間前に発表予定
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 必要な資料は講義内で配布 | ||
参考文献 |
復習ではノートを点検し、配布資料で授業中に線を引いた箇所とその前後を中心により深い理解に至るよう再読し、余白に自分の考察を書き込んでいくこと。これらが期末試験の準備にもつながる。
主体的にノートを取り、配布資料の支持された箇所に正確に線を引き、内容理解を深めていくこと。
*社会状況、国際情勢の変化に対応し、新しい映像、小説、哲学的書籍を積極的に取り入れていくため、以下の授業内容・順序は入れ替わり、また、互いに重なることがある。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 五つの存在(自然、生きもの、人、つくられたもの、人知を超えるもの)の関係から人間文化の定義、及び日本文化の受けとめ方について考察する(1) |
第2回 | 今後の日本文化が抱える困難と課題、及び未来の可能性についてユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』の問題提起とともに考察する(1) |
第3回 | 今後の日本文化が抱える困難と課題、及び未来の可能性についてユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』の問題提起とともに考察する(2) |
第4回 | 今後の日本文化が抱える困難と課題、及び未来の可能性についてユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』の問題提起とともに考察する(3) |
第5回 | 五つの存在(自然、生きもの、人、つくられたもの、人知を超えるもの)の関係から人間文化の定義、及び日本文化の受けとめ方について考察する(2) |
第6回 | アニメーション作品『この世界の片隅に』を通じて失われた世界と再生の希望について考察する(1) |
第7回 | アニメーション作品『この世界の片隅に』を通じて失われた世界と再生の希望について考察する(2) |
第8回 | アニメーション作品『この世界の片隅に』を通じて失われた世界と再生の希望について考察する(3) |
第9回 | 五つの存在性(自然性、生命性、人間性、作為性、超越性)の関係から人間文化の定義、及び日本文化の受けとめ方について考察する |
第10回 | カズオ・イシグロ作品(『遠い山なみの光』『浮世の画家』『日の名残り』『わたしを離さないで』『忘れられた巨人』等)の問題提起から閉じられた世界と再生への糸口について考察する(1) |
第11回 | カズオ・イシグロ作品(『遠い山なみの光』『浮世の画家』『日の名残り』『わたしを離さないで』『忘れられた巨人』等)の問題提起から閉じられた世界と再生への糸口について考察する(2) |
第12回 | カズオ・イシグロ作品(『遠い山なみの光』『浮世の画家』『日の名残り』『わたしを離さないで』『忘れられた巨人』等)の問題提起から閉じられた世界と再生への糸口について考察する(3) |
第13回 | 人、社会、文化の「死と再生」について総合的に考察する |
第14回 | 試験テーマ解説 |
第15回 | 全体講評、授業内期末試験 |