労働法Ⅱ
担当者藤木 貴史教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングSOL-202

授業の概要(ねらい)

 私たちの社会では、多くの人が雇用されて労働し、賃金を得ることで生活しています。しかし、労働者は使用者よりも力が弱いため、適切な法規制がなされないと、さまざまな困難に直面することになります。労働法は、こうした困難を防ぎ、人間が人間らしく生きられようにさまざまな規制を行う法分野です。
 労働法IIでは、労働法Iを前提として、個別的労働法のうち社会的影響を受けやすい問題と雇用保障法を講義します。労働法Iと労働法IIは連続性が強いので、できるだけ両方履修するようにしてください。

※授業は、教科書の一部をまとめたレジュメを配布して進めます。講義中詳細に触れられない点については、教科書で学習するよう指示することがあります。

授業の到達目標

・個別的労働法の基礎的な知識を習得する
・労働法を知らない人に対して、労働法の仕組みを説明し、職場の問題解決の指針を示すことができる。

成績評価の方法および基準

・期末試験:7割(説明問題/事案問題により、労働法の仕組みを説明できるかを測る)
・小テスト:3割(穴埋め問題/選択式問題により、基礎的知識の定着度を測る)

※小テストは授業中に毎回出題し、次回にフィードバックする予定です
※期末筆記試験には、六法および教科書(『基礎から学ぶ-』)のみ持ち込みを認めます。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『基礎から学ぶ労働法I〔第4版〕』金子征史ほかエイデル出版(2018年)
参考文献『労働関係法規集(2019年版)』日本労働政策研究・研修機構日本労働政策研究・研修機構

準備学修の内容

講義前:30分程度を目安に、テキストの当該箇所を読む。不明点をノートに書きだし、講義において問題点を理解できるようにしましょう。
講義後:1時間程度を目安に、テキスト・レジュメの復習・小テストの復習。友達・家族に、その日聞いた労働法のおおまかな仕組みを説明できる程度まで復習しましょう。

その他履修上の注意事項

【授業に臨む姿勢】
・講義中は講義に集中することが求められます。ゲームや私事を見つけた場合には止めるよう注意をします。また、食事は禁止します。(飲み物を飲むのは構いません)。
・休まないで出席することは理解の前提となるので、その旨心がけてください。
・六法/法令集は授業に持ってくること。また、自分で必要な条文を探せるようにしておくこと。

【関連科目】
本講義の理解のためには、①日本国憲法、②民法(民法総則、債権各論)、③刑法、④行政法、⑤民事訴訟法などの基礎的知識があることが望ましいです(ただし、これらの科目を履修していない学生でも、この講義を履修して構いません)

授業内容

授業内容
第1回≪イントロダクション≫・・・労働法の体系再論
第2回≪日本の社会と労働法≫・・・日本的雇用慣行の仕組み
第3回≪人事制度(1)≫・・・配転/出向、転籍
第4回≪人事制度(2)≫・・・昇降格/企業再編
第5回≪懲戒制度≫・・・企業秩序論/懲戒処分の根拠と限界
第6回≪男女がともに働く(1)≫・・・育児・介護休業法/労基法と母性保護、賃金格差
第7回≪男女がともにはたらく(2)≫・・・男女雇用機会均等法/セクハラ、マタハラの防止
第8回≪中間的なまとめ≫・・・まとめと進度調整/映像で学ぶ労働法
第9回≪非正規労働(1)≫・・・総論/・有期・パート労働者の保護と均等待遇
第10回≪非正規労働(2)≫・・・有期・パート労働者の保護と均等待遇(続き)
第11回≪非正規労働(3)≫・・・派遣労働者の保護と均等待遇
第12回≪雇用保障の仕組み(1)≫・・・労働市場政策
第13回≪雇用保障の仕組み(2)≫・・・雇用保険
第14回≪労働法の現代的展開≫・・・内部告発、プライバシー情報/SNSと労働法
第15回≪全体のまとめ≫・・・授業内試験/試験の解説