担当者 | 大野 雅子教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [外国語学科 英語コース(2017年度以降)] | |
科目ナンバリング | SEM-310 |
この授業では、シェイクスピアの『ソネット集』から詩をいくつか取り上げて精読する。シェイクスピアの『ソネット集』は、前半は “Fair Young Man”と呼ばれる美しい男性に、後半は “Dark Lady”と呼ばれる怪しい女性に宛てられているという点において、当時流行したソネットの中でも稀有な存在である。シェイクスピアの伝記的な事実と関連して論じられることが多いが、この授業では、イメージの重層性や複雑な韻律によって生み出される原文の美しさを味わうことが目的である。シェイクスピアの言葉の美しさは翻訳を通しては決して伝わらない。古い英語なので読みにくいが、韻律が奏でる音楽のように滑らかな音の連続、複雑なイメージによって描き出される想像力の世界、イギリスの伝統文化に根差した考え方、これらの要素が詩の中にいかに描き出されているかを鑑賞する。学生には韻律、イメージ、言葉の意味、ストーリーの中での位置づけなどを個人またはグループで分析・議論・発表してもらう。
1)英詩の韻律を修得する。
2)英詩におけるイメージの分析方法を学ぶ。
3)シェイクスピアの代表的な劇作品を学ぶ。
4)ソネットという詩の形式を学ぶ。
5)西洋またはイギリスにおける文化的伝統を学ぶ。
積極的な授業参加30%、発表40%、授業内コメント提出30%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 対訳 シェイクスピア詩集 | 岩波文庫 | |
参考文献 | ソネット集 | 岩波文庫 |
扱う劇作品を日本語で通読しておく。発表のためにはテクストと批評書を読み、グループまたは個人でパワーポイントの準備を行う。
発表をする際には準備にかなり時間がかかる。詩の言葉とイメージを分析するためには辞書を丹念にひく必要がある。内容を知るためには様々な批評書を読まなければならない。現代日本人の感覚そのままで読むことはできない。学ぶ必要があるのが詩、特に前近代の詩である。だからこそ大学で学ぶ意義があると言える。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ウィリアム・シェイクスピアとは |
第2回 | ソネット「過行くときを告げる時計」 |
第3回 | ソネット「君を夏の日にたとえようか」 |
第4回 | ソネット「輝く朝」 |
第5回 | ソネット「もう悔やまないでくれ」 |
第6回 | ソネット「この力強い詩」 |
第7回 | ソネット「君の奴隷」 |
第8回 | ソネット「君は僕の中に秋を見る」 |
第9回 | ソネット「春の別れ」 |
第10回 | ソネット「愛は強くなった」 |
第11回 | ソネット「真実の愛」 |
第12回 | ソネット「黒い美」 |
第13回 | ソネット「肉欲」 |
第14回 | まとめ:英詩の韻律 |
第15回 | まとめ:シェイクスピア、ルネッサンスという時代 |