英米文学演習Ⅰ
担当者大野 雅子教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [外国語学科 英語コース(2017年度以降)]
科目ナンバリングSEM-309

授業の概要(ねらい)

この授業では、シェイクスピアの『ソネット集』と代表的な劇作品の中に表れる詩をいくつか取り上げて精読する。『嵐』において、父を嵐で失ったと思ったファーディナンドに空気の精のエアリエルが呼びかける歌、「君の父君、5尋の海底」。『冬物語』において、オートリカスが春の到来を喜んで歌う歌、「水仙が顔を出す頃」。『ハムレット』において、狂ったオフィーリアが歌う「どうしたら見分けがつくの」。『オセロー』において、夫から不貞を疑われたデスデモーナが歌う歌、「柳、柳、柳と歌おう」。『空騒ぎ』からは、男心の移ろいやすさを歌った歌、「もう溜息はつかないで」。『真夏の夜の夢』の中で妖精パックが歌う様々な歌。その他。学生には韻律、イメージ、言葉の意味、劇の中での役割などを個人またはグループで分析・議論・発表してもらう。

授業の到達目標

1)英詩の韻律を修得する。
2)英詩におけるイメージの分析方法を学ぶ。
3)シェイクスピアの代表的な劇作品を学ぶ。
4)ソネットという詩の形式を学ぶ。
5)西洋またはイギリスにおける文化的伝統を学ぶ。

成績評価の方法および基準

積極的な授業参加30%、発表40%、授業内コメント提出30%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献対訳 シェイクスピア詩集岩波文庫
参考文献ソネット集岩波文庫

準備学修の内容

扱う劇作品を日本語で通読しておく。発表のためにはテクストと批評書を読み、グループまたは個人でパワーポイントの準備を行う。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回ウィリアム・シェイクスピアとは
第2回ロマンス劇の中の詩―『嵐』より「骨は珊瑚、目は真珠」
第3回ロマンス劇の中の詩―『嵐』より「人生は夢」
第4回ロマンス劇の中の詩―『冬物語』より「水仙の歌」
第5回ロマンス劇の中の詩―『シンベリン』より「もう恐れないで」
第6回悲劇の中の詩―『オセロー』より「デスデモーナの悲嘆」
第7回悲劇の中の詩―『オセロー』より「最後のキス」
第8回悲劇の中の詩―『ハムレット』より「狂気のオフィーリア」
第9回悲劇の中の詩―『ハムレット』より「オフィーリアの溺死」
第10回喜劇の中の詩―『恋の骨折り損』より「男心は移ろいやすい」
第11回喜劇の中の詩―『真夏の夜の夢』より「恋の媚薬」
第12回喜劇の中の詩―『真夏の夜の夢』より「駆け巡る妖精パック」
第13回喜劇の中の詩―『十二夜』より「子供だった頃」
第14回まとめ:英詩の韻律
第15回まとめ:シェイクスピア、ルネッサンスという時代