担当者 | 高田 孝二 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [心理学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | NGN-201 |
精神(こころ)と呼ばれるものは、言語を含む行動や、表情を含む一般状態・行動を介してのみ観察しうるものです。ここでは、脳の機能(こころのはたらき)を、薬物効果を介して探る一方、薬物の作用メカニズムを、行動効果を含む様々な効果を通して探る学問領域である精神薬理学(行動薬理学)について紹介します。こころのはたらきに影響を与える物質(向精神物質)は、治療薬として広く用いられているほか、酒、たばこ、茶などの嗜好品を介して日常的に摂取され、また乱用など社会的問題を生じるものもあります。本講義ではまず、この分野の歴史と薬理学の基礎を概説した後、痛みや不安、うつについての動物モデルや最新の知見を紹介し、たとえば抗不安薬で軽減される不安とは何か、など、薬物効果を通してみたこころのはたらきについて考えます。
われわれが日常的に接している、こころのはたらきを変化させる薬物の作用メカニズムの基本的仕組みを理解し、こころのはたらきの変化を捉える具体的方法を修得する。
基本的に試験成績(小テスト、期末試験)で評価するが、受講態度・出席状況や質疑内容も考慮する。詳細は第1回講義で説明する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 参考文献は講義内で紹介する。講義はスライドに沿って行うが、スライドはキイとなるもののみ配布する。 |
嗜好品を含め、自分の身の回りにある化学物質が自分やひとのこころにどのような影響を与えているのかを観察し、授業で学修した内容をフィードバックしつつ、そのしくみを考える癖をつける。不明点は授業時に質問する。
薬物名など細部を覚える必要はない。「ストーリー」(話の筋道、論理展開)を追い、理解すること、またそのためのキイワード・概念を把握する努力をする。積極的な質問・討論を歓迎する。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション: 講義の概要紹介、くすりとは何か |
第2回 | こころに働くくすり~精神薬理学(行動薬理学)の歴史Ⅰ |
第3回 | こころに働くくすり~精神薬理学(行動薬理学)の歴史Ⅱ |
第4回 | 薬理学の基礎 1)薬物の生体内運命(薬物動態学)・薬効強度修飾要因 |
第5回 | 薬理学の基礎 2)用量による効果~生体内情報伝達・薬物の作用点 |
第6回 | 薬理学の基礎 3)薬物反復投与による効果:蓄積、耐性 |
第7回 | 薬理学の基礎 4)薬物反復投与による効果:逆耐性(1) |
第8回 | 薬理学の基礎 5)薬物反復投与による効果:逆耐性(2) |
第9回 | 痛覚 1)鎮痛薬・痛みの神経回路 |
第10回 | 痛覚 2)鎮痛効果測定法、鎮痛効果の性差 |
第11回 | 不安 1)不安とは何か~抗不安薬の効果発現機序 |
第12回 | 不安 2)抗不安効果の検定法(不安の動物モデル) |
第13回 | うつ 1)うつ病、心身症 |
第14回 | うつ 2)うつ病の動物モデル |
第15回 | まとめ:何を学んだのか |