日本史特殊講義5B-Ⅱ
担当者宮川 麻紀教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-210

授業の概要(ねらい)

古代日本人の思想の根底にあり、天皇制の根幹を支える記紀神話について学ぶ。そのうえで、天皇による祭祀や儀礼について考察し、天皇制の歴史について習得する。また、ヤマト王権の支配体制の核となり、律令国家をも支えていく氏姓制や各氏族のあり方を考えていく。記紀神話に登場する各氏族の祖先や、日本列島に住む人々のルーツを知るための史料、東アジア諸国から渡ってきた渡来系氏族、といった様々なテーマを学んでいく。授業は基本的に講義形式であるが、講義内容から習得したことや考えたことを、論述式の中間テストやレポートで論じてもらう。古代は遠い昔でミステリアスなイメージがあるが、意外と私たちの身の回りのものやその名前にも、古代に淵源をもつものが多い。また、日本中世・近世・近現代史や外国史を学ぶ前提としても、日本古代史を学んでおくことは重要である。

授業の到達目標

①日本古代史の諸テーマについて、簡潔に説明できる。
②各テーマについて、どのような説があるか修得する。
③各テーマについて、自分の力で考察できる。
④各テーマについて、自説を文章化することができる。

成績評価の方法および基準

(1)中間テスト 持ち込み可、論述式(到達目標①~③)40%
(2)期末レポート(到達目標①~④)60%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『大学でまなぶ日本の歴史』木村茂光・小山俊樹・戸部良一・深谷幸治吉川弘文館、2016年、1900円+税

準備学修の内容

以下のような準備学修をしなければ、テストやレポートで評価を得ることが難しくなる。
・『大学でまなぶ日本の歴史』の指定箇所を読み、基礎的な知識を得る。
・授業プリントを見直し、分からない部分は各回の参考文献を読み、復習する。
・レポートに備えて、参考文献を自分で探しておく。

その他履修上の注意事項

出席状況や授業態度も評価に反映させる。
ここに挙げた以外の参考文献は、授業内で紹介する。
欠席した回のプリントを早めに入手し、テストに備えることが必須である。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
・日本古代史とは
・各回のテーマと評価方法の説明
第2回講義 古事記の成立事情
・古事記の材料と成立過程
・天武天皇と歴史書編纂
第3回講義 古事記と日本書紀
・編者、太安万侶の生涯
・古事記と日本書紀の違い
・記紀の信憑性
第4回講義 記紀神話①―国生みから天の岩屋まで―
・イザナギ・イザナミ
・アマテラス・ツクヨミ・スサノヲ
第5回講義 記紀神話②―稲羽の素兎から国譲りまで―
・オオクニヌシの物語
・国譲りと出雲大社
第6回講義 記紀神話③―天孫降臨から神武天皇誕生まで―
・ニニギノミコトの降臨
・海幸彦・山幸彦
・神武誕生
第7回講義 記紀神話④―神武東征からヤマトタケルまで―
・神武東征
・闕史八代
・神功皇后
・ヤマトタケル
第8回講義 天皇と儀礼
・即位儀礼
・服属儀礼
第9回講義 氏族制の成立
・氏とカバネの成立
・始祖の伝承
第10回講義 伝統的氏族の種類
・渡来系氏族
・門号氏族
第11回中間テスト
講義 有力氏族の台頭と衰亡
・蘇我氏の出自・台頭・本宗家滅亡
第12回講義 伝統的氏族の没落と政変
・藤原氏諸家の浮き沈み
・政変と大伴・佐伯氏
第13回講義 氏上の役割と氏長者への変化
・氏上の選定と役割
・氏長者への変化
第14回講義 氏族の系譜
・タテ系図からヨコ系図へ
・系譜の事例
第15回講義 氏族伝承
・新撰姓氏録
・古語拾遺