心理学演習B
担当者岡本 潤子教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [心理学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSEM-304

授業の概要(ねらい)

 テーマ:被害について(犯罪被害に焦点化して)
 春期で学んだ攻撃行動の対極に,攻撃を受ける被害者があります。被害も,加害と同様に,幅広い概念ですが,本授業では犯罪被害に焦点をおいて学びます。
 犯罪被害の実情を,社会調査の統計から知ることから始め,さらに心理学的な側面から調べて発表をしていきます。春期で学んだ班別での発表の技術を活かして,テーマを分担選択して発表し,ディスカッションに繋げます。授業の後半では,実際に生じた事件を題材に,被害についてのそれまでの学習を当てはめて検討していきます。
 春期に引き続き,発表では司会進行も学生が行います。知識の獲得だけでなく,班活動での関わりや発表の仕方も学ぶ授業です。

授業の到達目標

 ① 犯罪被害の諸側面を,心理学的に理解し,説明することができる。
 ② 犯罪被害についての知識を使って,実際の社会現象や実験室での研究を検討することができる。
 ③ 班別で協力して,課題について調べ,その結果を効果的に伝え,議論が広がるように工夫して発表できる。

成績評価の方法および基準

 振り返りシートの提出状況とその内容(20%),班ごとの発表と討論への参加・貢献(50%),レポート(30%)の割合で総合評価を行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは指定せず,資料は適宜プリントを配布します。
参考文献『これからの犯罪被害者学』グディ,J.成文堂
参考文献『子ども被害者学のすすめ』フィンケルホー,D.岩波書店
参考文献『加害者家族』鈴木伸元幻冬舎新書
参考文献『彩花へ――生きる力をありがとう』山下京子河出書房新社
参考文献『彩花へ,ふたたび あなたがいてくれるから』山下京子河出書房新社
参考文献『淳』土師守新潮文庫

準備学修の内容

 班別で調べ,その結果を発表する形式で授業を進めるので,班での準備は,時間外で行う必要があります。効果的に発表が進められるよう,工夫することを期待します。
 また,自身が発表の当番でなくても興味を持って,テーマについて予・復習してください。

その他履修上の注意事項

 各自が工夫をして,フロアでの討議が活発になるよう,意欲的に発表してください。発表者以外の参加者の積極的な議論を期待します。
 授業の後半では,実際に起きた事件を題材にして被害を考えていきますので,興味本位に扱わないよう,気をつけてください。
 発表,討論,グループ等,動くことを厭わないで学ぶ姿勢を期待します。

授業内容

授業内容
第1回 秋期の授業ガイダンス
 授業のすすめ方についての説明。発表テーマによる班編成。発表順序・方法等の決定。
 (テーマの例) 被害者学について,犯罪被害の状況,捜査と犯罪被害,メディアと犯罪被害,犯罪被害とPTSD,犯罪被害に対する心理療法,犯罪加害者の家族,加害者と被害者との対話,など
 「被害」についてのイントロダクション
第2回 「被害」についての授業 ①
第3回 「被害」についての授業 ②
第4回 被害についての発表と討論 ①
第5回 被害についての発表と討論 ②
第6回 発表の振り返りと補足授業
第7回 被害についての発表と討論 ③
第8回 被害についての発表と討論 ④
第9回 発表の振り返りと補足授業 
第10回 被害についての発表と討論 ⑤
第11回 発表の振り返りと補足授業 
第12回 神戸事件の被害についての発表 ①
第13回 神戸事件の被害についての発表 ②
第14回 神戸事件の被害についての発表(加害者家族) ③
第15回 まとめ,授業の振り返り,レポート提出