医事法Ⅱ
担当者河嶋 春菜
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングNFL-302

授業の概要(ねらい)

医事法は統一の法典をもたず、様々な法領域にかかる法令が医療に関するルールを定めています。したがって、「医事法」の基礎を学ぼうとする本講義で医事法のあらゆる側面を網羅的に取り扱うことは大胆・拙速にすぎるでしょう。そこで、本講義では、ひとまず医療行為が行われる個々の場面に注目し、基本的な理念や規制のあり方について勉強したいと思います。
本講義は、履修生が2019年度前期に「医事法I」を履修し、単位を取得したことを想定して行います。また、授業では、憲法(とくに人権)や行政法の講義で学んだ内容に立ち返って考えることがあるので、適宜、これらの講義で学んだ内容を復習するようにしてください。

授業の到達目標

1)医療をめぐる基本的な法理念を理解すること
2)医療についてどのような法律問題が生じており、どのような規制によって解決が図られているかを理解すること
3)以上1)および2)について、法律用語を使いつつ、自分の言葉で説明できるようになること

成績評価の方法および基準

期末試験80%
平常点20%(授業中の発言・小テストなど、予習・復習を行っていることを確認するための課題もここに含みます)
出席はとりません。ただし、帝京大学の規則に従い、三分の一を超えて欠席した場合には、期末試験の受験資格が与えられません。出欠管理は、カードリーダーを使い、各自が責任をもって行うこと。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『医事法入門』手嶋豊有斐閣(有斐閣アルマ、2018年)
参考文献『医事法判例百選(第2版)』甲斐克則・手嶋豊(編)有斐閣(2014年)
参考文献『医事法講義』米村滋人日本評論社(2016年)
参考文献

準備学修の内容

予習:教科書の該当箇所を読んでおく
復習:授業ノートと教科書、参考文献の該当箇所を再度読み、鍵となる用語・考え方を用いながら、自分の言葉で授業内容をまとめる

その他履修上の注意事項

「医事法I」、「憲法」(とくに人権)および「行政法」の講義を履修済みであることを前提に授業をすすめます。適宜、これらの講義で使用した教科書・参考書や講義の内容を復習するようにしてください。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション、前期で学んだ内容の復習
第2回患者の自己決定(権)
第3回感染症対策①(沿革と現行制度の構造)
第4回感染症対策②(予防接種)
第5回精神医療
第6回人の出生①(生殖補助医療)
第7回人の出生②(人工妊娠中絶、出生前診断)
第8回人の死①(脳死と臓器移植)
第9回人の死②(終末期医療、安楽死と治療中止)
第10回医学研究者の学問の自由
第11回医学研究①(基本的な考え方)
第12回医学研究②(沿革、構造)
第13回医学研究③(規制のしくみ)
第14回まとめ
第15回試験と解説