心理学基礎論Ⅰ
担当者新谷 和代
単位・開講先必修  2単位 [心理学科 2017年度以前]
科目ナンバリングPSY-101

授業の概要(ねらい)

 人の発達は,いわゆる「ヒト」としての遺伝子の仕組みにより,定まった方向に自然に成長し成熟していくが,それはある程度の環境が整っていなければ発現しない。そしてその環境も,親からの愛情やしつけ,きょうだい関係などのミクロな面から,教育制度や国の文化などマクロな面まで様々であり,それらが,個人の発達に豊かな個人差を生じさせている。以上のことから本講義では,人の成長に与える様々な要因に焦点を当てながら,人の誕生から死までの発達を説明していく。扱う領域は以下の通りである。
  ① 認知機能の発達及び感情・社会性の発達
  ② 自己と他者の関係の在り方と心理的発達
  ③ 誕生から死に至るまでの生涯における心身の発達
  ④ 発達障害等非定型発達についての基礎的な知識及び考え方
  ⑤ 高齢者の心理
 なおこの授業では,動画を見たり関連する新聞記事なども配布して,生活に密着した理解しやすい授業をめざす。
 授業は,1回で教科書1章分を扱う。授業前半は教科書の内容の説明,後半は配布資料の説明である。小テストと課題は,交互に2回に1回程度,行う予定である。

授業の到達目標

 ・発達心理学についての基礎的な知識の獲得をめざす。

成績評価の方法および基準

 期末テスト60点,小テスト40点で評価する。期末試験は,選択肢問題と論述問題である。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書概ね以下の教科書により授業を進めるが,随時他の文献を紹介する。
教科書問いからはじめる発達心理学 -生涯にわたる育ちの科学坂上裕子 山口智子 林 創 中間玲子【著】有斐閣 
参考文献ベーシック発達心理学開 一夫 齋藤 滋子【編】東京大学出版会
参考文献発達心理学(公認心理師の基礎と実践12)本郷一夫【編】遠見書房

準備学修の内容

教科書や配布プリントを見直しておくこと。特に授業で行う小テストや課題は,期末テストの準備にもなるので,しっかり取り組むこと。

その他履修上の注意事項

授業中の小テストはLMSで行う予定である。スマホまたはWi-Fi対応のノートPCなどを持参すること。
また課題も,LMSでの提出となる。

※ 2018年度以降の入学生には、公認心理師受験資格に必要な科目です。
 2017年度以前の入学生は、心理学科のホームページを参照してください。

授業内容

授業内容
第1回 誕生から死までの発達/発達段階と発達課題
第2回 発達の多次元性・多方向性/進化/遺伝と環境
第3回 胎児期・新生児期/五感の発達
第4回 ピアジェの発達段階/社会性の萌芽
第5回 アタッチメントの発達と個人差/発達の可塑性
第6回 表象と象徴/言語の発達/読み書きへの関心/共同注意と遊びの発達
第7回 主体としての自己/感情と自己制御の発達
第8回 心の理論/道徳/仲間関係
第9回 記憶の発達/動機づけ/メタ認知
第10回 自己理解/時間的展望/青年期の友人関係/恋愛
第11回 アイデンティティの発達/キャリア選択/結婚
第12回 メンターの役割/親としての発達/介護
第13回 認知機能の加齢変化/パーソナリティの発達/高齢者の死生観
第14回 非定型発達/児童虐待の影響/つまづきの背景にある時代と文化
第15回 まとめ・テスト