担当者 | 濱田 陽教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [日本文化学科] | |
科目ナンバリング | PHE-101 |
致死性ウィルス拡散の状況下、人と生きものの関係を時空や文化の根源から問い直す意義はどこにあるのか。容易に答えは出せないが、自然、生きもの、人、つくられたもの、人知を超えるものの五つの存在の関係を浮かび上がらせることで、時空、文化、文明について考察していきたい。
現代ではスマートフォンで時間、空間を把握することが日常となり、AI(人工知能)が様々な分野に導入され続けている。他方、人は川の流れや花の開花など自然や生きものからも、時間や空間の変化を感じ取ってきた。人が自ら世界を把握する営みにはいかなる特徴があるのか。日本が誇る思想家、西田幾多郎、夏目漱石、南方熊楠からミヒャエル・エンデ(『モモ』)、ハイデガー、アインシュタイン、レヴィ=ストロース(『野生の思考』)など世界の思想家にも学びながら、自然、生きものに特有の生命の時空、人に特有の文化の時空を見出し、生命と文化の豊かな世界を再発見していく。
多様な思想、文化事象の横断的、総合的な学びを通じて、人と生きものの関係の根源を問い直す。
思想への柔軟な視座を養い、講義内容をふまえて自身の思考を展開し、内容の深い考察をまとめる思考力、文章表現力を身につける。
授業参加、期末試験により総合評価
*試験テーマは最終講義日2週間前に発表予定
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『日本十二支考 文化の時空を生きる』(2017年1月刊) | 濱田陽 | 中央公論新社 |
教科書 | |||
参考文献 |
教科書に沿って進むため、次回授業で扱う予定の箇所をざっと通読しておくこと。一回の授業で平均15ページ分ほど進むことを目安とする。
同じ教科書を秋学期の近代思想Ⅱでも使用する。春学期のみの履修も可能だが、進むのは教科書の前半分であるため、全体を学びたい場合は通年受講が必要。また、春学期に単位を取得できなかった者については秋学期の履修登録が認められないこともあるため、事前によく考えた上で選択してほしい。
授業中に教科書中の着目すべき箇所を自分の判断でマークし、主体的に気づいたことや考えをメモするなど(教科書に書き込んでもポストイットなどを用いてもよい)、時間をかけて一歩一歩理解を深めていって欲しい。
「7.各回の授業内容」には教科書各章が割り振られているが、章によって分量の差があるため、じっさいの授業進行はある程度前後することを前提としてほしい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 教科書及び本講義のねらい。致死性ウィルス拡散の時代に、人と生きものの関係を時空や文化の根源から問い直す意義について。(教科書目次) |
第2回 | 生きものと文化の多様性について学ぶ(第一部第一章) |
第3回 | 存在のとらえ方について学ぶ(第一部第二章) |
第4回 | 存在と時間の関係について学ぶ(第一部第三章) |
第5回 | 近代文明の時間とそれ以外の多様な時間のとらえ方について学ぶ(第一部第四章) |
第6回 | レヴィ=ストロースの野生の思考を参照し文化の時計としての十二支について学ぶ(第一部第五章) |
第7回 | 時間から導かれる空間について学ぶ(第一部第六章) |
第8回 | 近代的な時空のとらえ方と生きとし生けるものの時空の違いについて学ぶ(第一部第七章) |
第9回 | 文化の時空の考察に必要な思考について学ぶ(第一部第八章) |
第10回 | 鼠の存在を通じ思想的課題の諸相について考察する(第二部第一章) |
第11回 | 牛の存在を通じ思想的課題の諸相について考察する(第二部第二章) |
第12回 | 虎の存在を通じ思想的課題の諸相について考察する(第二部第三章) |
第13回 | 兎の存在を通じ思想的課題の諸相について考察する(第二部第四章) |
第14回 | 試験テーマ解説、全体の復習 |
第15回 | 講評、教科書による期末試験 |