心理療法特論
担当者高梨 利恵子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [文学研究科 臨床心理学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 本講義は、さまざまな心理療法の実践に資するよう、以下の2つを中心に構成される。一つ目は、基本となる姿勢やコミュニケーション技法、およびいくつかの介入技法を体験的に学ぶこと、二つ目は、ケースの見立て、面接の経過、行き詰まりの理解と対処、終結にまつわることがらなどについて理解することである。そのうえで、実践が行われるさまざまな場の見立てや、適応の工夫について併せて学ぶことで、現場の様々なニーズに対応する視点を得る。心理療法家となり、心理療法家であり続けるには、耐えることのない実践と研鑽が求められるが、そのプロセスに必要な基礎の一端を築くことを目指す。

授業の到達目標

心理療法の基礎的枠組みについて知識を得る。
心理療法を進めるうえで必要なスキルを修得する。
認知行動療法の基本的な技法を習得する。

成績評価の方法および基準

講義中のロールプレイ演習およびグループワーク等でのパフォーマンス60%、期末試験40%。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書うつと不安の認知行動療法練習帳 増補改訂版デニス・グリーンバーガー
クリスティーン・A・パデスキー
創元社
参考文献精神療法の基本 支持から認知行動療法まで堀越勝
野村俊明
医学書院
参考文献クライエントの言葉をひきだす認知療法の「問う力」 ソクラテス的手法を使いこなす東京駒場CBT研究会
石垣/琢麿
山本/貢司
金剛出版
参考文献精神分析的心理療法の実践―クライエントに出会う前に馬場 禮子岩崎学術出版社

準備学修の内容

授業内で提示する文献に目を通し参加すること。

その他履修上の注意事項

ロールプレイやグループワークなどの体験的なワークが含まれる。
ロールプレイなどのパフォーマンスを各自のスマートフォン等で録画し、振り返りを行うことがある。
この科目は臨床心理学専攻に特化した科目である。

授業内容

授業内容
第1回以下は予定であるが、登録学生数や理解度などにより変更もある。

オリエンテーション 
 心理療法概論1 各種心理療法の概要と比較
第2回心理療法概論2 
 導入,動機づけ,見立て、目標の設定、治療同盟など
第3回心理療法概論3
 面接中に生じること、終結など
第4回心理療法に必要なコミュニケーション技術の習得1
 ロールプレイ
第5回心理療法に必要なコミュニケーション技術の習得2
 ロールプレイ
第6回認知行動療法概論 
 歴史・様々な理論・実践例
第7回認知行動療法の技法1
 ケースフォーミュレーション
第8回認知行動療法の技法2
 行動活性化
第9回認知行動療法の技法3
 認知再構成法
第10回認知行動療法の技法4
 行動実験
第11回認知行動療法の技法5
 問題解決技法、イメージ書き直し法、その他
第12回プロトコルに基づいた認知行動療法
 社交不安症の認知行動療法
第13回事例論文の検討1
第14回事例論文の検討2
第15回まとめとテスト