行政法Ⅱ
担当者𠮷田 貴明教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングPUL-206

授業の概要(ねらい)

 行政の活動により、私たちの権利利益が侵害される場合があります。こうした行政の活動に対して不服があるとき、どのようにして権利の救済を求めればよいのでしょうか。
 この授業では、行政の活動に基づいて形成される法律関係について、どのような紛争解決の手続が存在するかを学びます。また、行政救済法に関するしくみと考え方について、法律・判例を参照しながら検討します。行政法Ⅰで取り扱われる行政法総論とやや異なり、学習対象としての法律が存在し、また、判例にも相当の蓄積があります。これらを理解することがねらいです。

授業の到達目標

 以下の2点を目標とします。
①行政救済法の基本的な概念・理論および判例が理解できること。
②行政活動に関する諸問題につき、基本的な考え方と行政法規の基礎的運用能力を身につけること。

成績評価の方法および基準

 レポート(毎回の復習を目的として課す小レポート、および、期末レポート)により評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『社会とつながる行政法入門』 大橋洋一(有斐閣)
参考文献『行政判例百選Ⅰ・Ⅱ(第7版)』 宇賀克也ほか編(有斐閣)

準備学修の内容

 この授業では、テキストに従って講義を進めていきます。そのため、テキストを用いて予習・復習を行ってください。
 予習:テキストの指定範囲をあらかじめ読み進め、わからない用語等があれば参考文献で確認しておいてください。
 復習:理解が十分でない点を中心に、講義において取り扱った箇所をテキストやノートにより見直してください。

その他履修上の注意事項

 行政法の学修には、憲法、民法、刑法に係る理解が求められるため、適宜復習する必要があります。また、「行政法Ⅰ」ならびに不法行為法および民事訴訟法の理解を必要とする部分がありますので、これらの科目を事前に、または、並行して履修することが望ましいでしょう。
 なお、「行政法Ⅰ」とは異なり、実定法を確認する機会が多々あります。コンパクトサイズの六法を持参するなど、適宜条文を参照できるような態勢を整えてから授業に臨んでください。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション—行政救済法の全体像
第2回行政訴訟1—取消訴訟の概要
 タヌキの森はいま1
第3回行政訴訟2—訴訟要件1
 タヌキの森はいま2
第4回行政訴訟3—訴訟要件2
 タヌキの森はいま3
第5回行政訴訟4—義務付け訴訟の概要
 少女の夢1
第6回行政訴訟5—申請型義務付け訴訟
 少女の夢2
第7回行政訴訟6—当事者訴訟
 ごみ処理の悩み1
第8回行政訴訟7—住民訴訟
 ごみ処理の悩み2
第9回行政上の不服申立て1—不服申立ての概要
 生活の糧を守る1
第10回行政上の不服申立て2—審査請求
 生活の糧を守る2
第11回国家賠償1—公権力の行使
 ピラミッド崩壊1
第12回国家賠償2—公務員の故意・過失
 ピラミッド崩壊2
第13回損失補償1—土地収用
 津波から命を守る1
第14回損失補償2—損失補償による権利救済
 津波から命を守る2
第15回総括