担当者 | 佐藤 斉華 | |
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単位・開講先 | 選択必修A 2単位 [社会学科] | |
科目ナンバリング | SOC-203 |
この授業は、質的社会調査の代表的技法であるフィールドワークとは何かについて基礎的理解を形成し、それを実践するための前提となる知識・態度・スキルを形成することをめざすものである。フィールドワークの入門書とフィールドワークの研究成果である民族誌をあわせて読み込みながら授業内で議論を重ねるとともに、フィールドワークにおいて用いられる個々の調査法(参与観察やインタビュー)を適宜授業内のワークに採り入れて、実際的な調査技術の修得もはかっていく。
社会認識に不可欠のツールとして今日広く利用されているフィールドワークを学ぶことは、単に一つの社会調査技法を知ることにとどまらない、社会を見る新たな眼を獲得することにもつながっていくだろう。
フィールドワークという調査方法が、社会に関するどのような問いをどのように明らかにできるかについて説明できるようになる。フィールドワークによって追究するのにふさわしいリサーチ・クエスチョンを立て、それに応じた調査計画を立案できる。後期授業「社会学フィールドワーク」でフィールドワークを実践するための準備をととのえる。
出席は単位修得の前提である。授業への参加(25%)、授業中の発表(20%)、実習課題(20%)、民族誌レポート(20%)、および期末に提出してもらう模擬フィールドワーク計画書(15%)を総合して評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『フィールドワーク(増補改訂版)』2006年 | 佐藤 郁哉 | 新曜社 |
参考文献 | 『彼女達との会話:ネパール・ヨルモ社会におけるライフ/ストーリーの人類学』2015年 | 佐藤 斉華 | 三元社 |
毎回授業でとりあげる教科書の箇所について予め読みこんで疑問点等についてまとめ、授業内でのディスカッションに備える。担当したテキスト箇所の発表を準備する。授業内で行う実習ごとにレポートをまとめて提出する。民族誌レポートをまとめる。模擬フィールドワーク計画書を作成する。
履修者多数の場合は選抜を行う可能性もあるので、履修希望者は第一回目の授業に必ず出席し、履修許可を得ること。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション:フィールドワークと本授業の射程について |
第2回 | フィールドワーク入門書を読む(1):フィールドワークの歴史 |
第3回 | フィールドワーク入門書を読む(2):様々な調査技法のなかのフィールドワーク |
第4回 | フィールドワーク入門書を読む(3):サーヴェイ型調査との比較検討 |
第5回 | フィールドワーク実践練習(1):構造化されたインタビュー |
第6回 | フィールドワーク入門書を読む(4):フィールドワークで用いられる諸技法 |
第7回 | フィールドワーク実践練習(2):参与観察 |
第8回 | フィールドワーク入門書を読む(5):フィールドへのアクセス |
第9回 | フィールドワーク実践練習(3):自由なインタビュー |
第10回 | フィールドワーク入門書を読む(6):調査対象者との関係性 |
第11回 | フィールドワーク入門書を読む(7):調査倫理とフィールドワーク |
第12回 | 民族誌を読む(1) |
第13回 | 民族誌を読む(2) |
第14回 | 民族誌を読む(3) |
第15回 | フィールドワークの実践に向けて:後期授業への橋渡し |