臨床心理関連行政論
担当者村上 香奈教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [文学研究科 臨床心理学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 心理臨床家は職務を遂行する上で、判断に迷ったり、葛藤を抱くことがある。その例として、秘密保持を前提に相談を受けたが自傷・他害の恐れが出てきた場合や、確証はないが虐待の疑いがある場合などが挙げられる。このような時、心理臨床家はどのように行動するべきなのだろうか。その基準を示してくれるのが、法であり、倫理である。このように心理臨床家が出会う出来事の一つひとつが、法律や倫理と関係しているのである。
 心理臨床家は、様々な分野で職務を担っているため、多様な法律の知識、求められる倫理を学ぶ必要がある。これらは、覚えること、考え理解することによって身につくものである。また、法は社会の状況によって改正されることもある。心理臨床家として現場で専門性を発揮しつづけるためには、高い意識を持ち、社会の動きに敏感になることも求められる。
 

授業の到達目標

1)心理臨床家が職務を遂行する上で関わる分野の法律を説明できる
2)心理臨床家の職業倫理について説明できる
3)具体的な事例に対して、どのように行動するべきかを説明できる

成績評価の方法および基準

期末試験50% 小テスト50%(小テストは第3回~第12回の授業内で実施する)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書公認心理師の基礎と実践23 関係行政論野島一彦・繁桝算男 監修
元永拓郎 編
遠見書房
参考文献臨床心理学の倫理を学ぶ金沢吉展東京大学出版

準備学修の内容

教科書の該当箇所を読み、自分の理解したことと理解できなかったこと(疑問点)をまとめて授業に臨むこと。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション 法律と倫理とは何かについて学ぶ
第2回公認心理師法と日本臨床心理士会倫理綱領を学ぶ
第3回秘密保持について学ぶ
第4回保健医療分野に関する法律・制度(1)主に精神科医療について学ぶ
第5回保健医療分野に関する法律・制度(2)地域保健医療について学ぶ
第6回福祉分野に関する法律・制度(1)児童福祉について学ぶ
第7回福祉分野に関する法律・制度(2)障害者・障害児福祉について学ぶ
第8回福祉分野に関する法律・制度(3)高齢者福祉について学ぶ
第9回教育分野に関する法律・制度について学ぶ
第10回司法犯罪分野に関する法律・制度(1)刑事・家事について学ぶ
第11回司法犯罪分野に関する法律・制度(2)少年非行について学ぶ
第12回産業・労働分野に関する法律・制度について学ぶ
第13回研究倫理について学ぶ
第14回事例検討 判断が難しい事例について考える
第15回まとめと展望