国語科教育法Ⅲ
担当者橋本 和顕教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [資格科目]
科目ナンバリングESS-309

授業の概要(ねらい)

 高等学校国語科が求めている各領域の指導事項を基礎的・基本的な内容として生徒が確実に習得していくための教育法を確立するとともに具体的な方法を講じて授業展開をしていく。「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」「伝統的な言語文化」等を中学校との系統性を理解して、言語活動例に生かしていく手立てを講じる必要がある。ディスカッションやグループワークなど、豊かな言語活動をもとに主体的に関わるようにする。
 授業では、高等学校段階として求められている国語科の能力を具体的教材を通して授業改善につなげていく方策を探るようにする。

授業の到達目標

 高等学校の国語科として身につけなければならない能力を具体的な授業設計をしつつ、模擬授業につなげることができる。

成績評価の方法および基準

 授業内の学習活動(30%)及び、授業内での提出物(40%)、授業の達成目標の達成度を課題レポート(30%)で評価する。課題レポートのテーマ『高等学校国語科学習の心得』など。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『高等学校学習指導要領解説書国語編』(文部省)
参考文献

準備学修の内容

 ・予習、復習をして各領域の基礎的・基本的な内容を理解して、教材研究の日常化を図ること
 ・ノート整理をして学びの習慣化を図ること ・身近な言語課題に関心をもって物事に対処できる表現力を養っておくこと

その他履修上の注意事項

 高等学校で求められている能力は、各領域ともに「伝える力」であり「生きる力」である。したがって、生徒の力量を高めていくための手立てとして授業力ある教師の存在が不可欠となる。日頃から、国語科の教師となるという意識をもって授業に臨んでほしい。なお、模擬授業を増やし、実践力をつけること。
 また、本授業は、教員免許取得資格の授業であり、授業相互に密接な関連性・積み上げが必要なため、全15回の出席を基本とする。

授業内容

授業内容
第1回 高等学校で身につけること
 ・詩教材で言語感覚、表現力を育てる
第2回 「読むこと」の系統性と具現化(1)
 ・文学教材 場面の深い読みと俯瞰する読み・描写・人物
第3回 「読むこと」の系統性と具現化(2)
 ・評論教材 論理的思考力
第4回 伝統的な言語文化に親しむ(1)
 ・古文教材 伊勢物語など、歌物語
第5回 伝統的な言語文化に親しむ(2)
 ・漢文教材 故事成語
第6回 「書くこと」の系統性と具現化 ・データを読み、論理的な構成を考える
 ・図や表から読み取って表現する
第7回 「話すこと・聞くこと」の系統性と具現化
 ・独話から対話交流へ ・スピーチ交流をしてみよう
第8回 学習指導案の書き方
 ・指導案の実際と書き方・生徒の実態と教材分析の方法、発問、板書、留意点 ICTの活用
第9回 高等学校国語科模擬授業実践(1)文学教材の読み
 ・受講生による模擬授業 ・授業評価 ・意見交流
第10回 高等学校国語科模擬授業実践(2)文学教材の読み
 ・受講生による模擬授業 ・授業評価 ・意見交流
第11回 高等学校国語科模擬授業実践(3)文学教材の読み
 ・受講生による模擬授業 ・授業評価 ・意見交流
第12回 高等学校国語科模擬授業実践(4)文学教材の読み
 ・受講生による模擬授業 ・授業評価 ・意見交流
第13回 指導技術の進化
 ・板書の完成図・ワークシート・国語便覧の活用
第14回 読書指導による学校図書館の活用
 ・PR紙づくり・読書新聞づくり ・自分の好きな一冊の本 ・POPづくり
第15回 学習指導要領で国語科教育法Ⅲを振り返る
 ・授業構成と授業改善の方向性 ・具体的な言語活動事例の特色