担当者 | 宇多 浩教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [外国語研究科 超域文化専攻] | |
科目ナンバリング |
伝統的に、人間は「心」と「身体」をもった存在と考えられてきた。しかし、「心」・「身体」とはどのような存在か、両者はどのように関係しあっているのかという問題には現在においても明瞭な答えはなく、さまざまな思想家たちによって、多様な見解が呈されてきた。
この講義では、西洋の哲学において人間の「心」と「身体」、両者の関係について、どのような捉え方・考え方がなされてきたのかを概観してゆくことにする。プリーストの『心と身体の哲学』をテキストとし、各章に登場する思想家の立場を検討する、という流れで進めていく。後期は観念論と唯物論の対比からはじめ、そこから現代の心脳関係についてのいくつかの立場を見ていくことにする。
なお、この授業は少人数授業であることを踏まえ、講義形態ではなく、学生によるレジュメ作成・ディスカッションを中心とした授業とする。
・テクストの各章に登場する思想の要点を自分の言葉でまとめられる。
・「心」と「身体」の関係について、各思想家の主張を踏まえながら、自分の見解を示すことができる。
テキストの内容理解と平常点(積極的な参加度)によって評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『心と身体の哲学』 | スティーブン・プリースト | 勁草書房 |
参考文献 |
授業までに文献の該当箇所よみ、必要に応じて内容をまとめる。
授業では文献の読解を重視します。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス |
第2回 | 観念論 (1) バークリの観念論 (1) バークリのロック批判 |
第3回 | 観念論 (2) バークリの観念論 (1) 「存在するとは知覚されることである」というテーゼについて。 |
第4回 | 唯物論 (1) 唯物論の系譜 ― デモクリトスからホッブズまで。 |
第5回 | 唯物論 (2) 心脳同一説 (1) 心脳同一説の概要 |
第6回 | 唯物論 (3) 心脳同一説 (2) 心脳同一説における「同一性」は何を意味するか。 |
第7回 | 唯物論 (4) 心脳同一説 (2) 心脳同一説の批判的検討。 |
第8回 | 機能主義 (1) 機能主義の概要 「機能状態」とは何か? |
第9回 | 機能主義 (2) 機能主義の批判的検討 |
第10回 | 二面説 (1) スピノザの一元論と汎神論。 |
第11回 | 二面説 (2) スピノザにおける二側面説 |
第12回 | 現象学的見方 (1) ブレンターノにおける心的現象と物理的現象 |
第13回 | 現象学的味方 (2) ブレンターノにおける「志向性」概念 |
第14回 | 現象学的味方 (3) フッサールにおける「志向性」概念の展開 |
第15回 | 授業のまとめ |