日本史特殊講義1C-Ⅰ
担当者相澤  央教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-201

授業の概要(ねらい)

 日本古代史の研究において、木簡・墨書土器・漆紙文書などの出土文字資料は、今や欠かせない重要な資料である。本講義では、これら出土文字資料を活用して古代の政治社会史を論じる。これまでの文献史料に基づく研究成果を踏まえた上で、出土文字資料を、その資料としての特徴に注意しながら用いることによって、新たにどのようなことが明らかになったのか。具体的に出土文字資料の分析を解説しながら授業を進める。春期は古代の都城と地域における政治・社会の実態について論じる。

授業の到達目標

①古代の都城と地域における政治や社会の実態について理解する。
②授業の中で特に興味をもったテーマについて、参考文献を読むなどして理解を深め、自分なりの考えをもち、レポートにまとめる。

成績評価の方法および基準

 各回の授業内容についてのコメントシート(30%)と、春期授業終了時に提出する4,000字程度のレポート(70%)で評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書使用しない。毎回配布するレジュメにより授業する。
参考文献『木簡から古代がみえる』木簡学会岩波新書
参考文献『飛鳥の木簡』市大樹中公新書

準備学修の内容

 授業内容の復習をしっかり行い、関心をもって授業に臨むこと。授業で紹介した参考文献などを読み、自分なりの考えをもてるようにすること。

その他履修上の注意事項

 毎回、授業内容についてのコメントシート(感想・質問)を提出してもらう。なお、7の授業内容は進行状況により変更することがある。

授業内容

授業内容
第1回授業の内容、進め方などについてのガイダンス
第2回出土文字資料概論
第3回飛鳥・藤原の都と木簡
第4回平城京の役所と官人
第5回長屋王家のしくみと生活
第6回長岡京の造営と役所
第7回木簡からみた古代の生活・文化
第8回律令税制と荷札木簡
第9回荷札木簡にみる地域-隠岐国と安房国-
第10回出土文字資料からみた古代の交通
第11回北陸地方の木簡-越後国と加賀国-
第12回城柵出土の木簡-秋田城と多賀城-
第13回東国の役所と支配
第14回相模国の木簡
第15回墨書土器の祭祀と古代人の死生観