日本史特殊講義1C-Ⅱ
担当者相澤  央教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-202

授業の概要(ねらい)

 日本古代史の研究において、木簡・墨書土器・漆紙文書などの出土文字資料は、今や欠かせない重要な資料である。本講義では、これら出土文字資料を活用して古代の政治社会史を論じる。これまでの文献史料に基づく研究成果を踏まえた上で、出土文字資料を、その資料としての特徴に注意しながら用いることによって、新たにどのようなことが明らかになったのか。具体的に出土文字資料の分析を解説しながら授業を進める。秋期は、古代の税制、交通制度、農業経営など、個別のテーマに沿って論じる。

授業の到達目標

①古代の政治や地域社会の諸相について理解する。
②授業の中で特に興味をもったテーマについて、参考文献を読むなどして理解を深め、自分なりの考えをもち、レポートにまとめる。

成績評価の方法および基準

 各回の授業内容についてのコメントシート(30%)と、秋期授業終了時に提出する4,000字程度のレポート(70%)で評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書使用しない。毎回配布するレジュメにより授業する。
参考文献『木簡から古代がみえる』木簡学会岩波新書
参考文献『古代地方木簡の研究』平川南吉川弘文館

準備学修の内容

 授業内容の復習をしっかり行い、関心をもって授業に臨むこと。授業で紹介した参考文献などを読み、自分なりの考えをもてるようにすること。

その他履修上の注意事項

 毎回、授業内容についてのコメントシート(感想・質問)を提出してもらう。なお、7の授業内容は進行状況により変更することがある。

授業内容

授業内容
第1回授業の内容、進め方などについてのガイダンス
第2回出土文字資料概論
第3回出土文字資料からみた古代の税制①税物の調達から運送まで
第4回出土文字資料からみた古代の税制②出挙運営の実態
第5回出土文字資料からみた古代の交通①古代の駅路と駅家
第6回出土文字資料からみた古代の交通②過所木簡
第7回出土文字資料からみた古代の交通③末端の情報伝達
第8回出土文字資料からみた古代の交通④古代の港湾施設
第9回出土文字資料からみた古代の農業①種子札と古代の稲作
第10回出土文字資料からみた古代の農業②賃租と木簡
第11回出土文字資料からみた古代の農業③田起こし労働と人々の動員
第12回出土文字資料からみた古代の農業④里刀自と田植え労働
第13回出土文字資料からみた古代・中世の信仰①古代の内神信仰
第14回出土文字資料からみた古代・中世の信仰②地方社会における国家仏教
第15回出土文字資料からみた古代・中世の信仰③鎌倉時代の鑑札と呪符