東洋史特殊講義1C-Ⅰ
担当者蔡  易達
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHAA-201

授業の概要(ねらい)

 本講義は、前期として「植民地と近代化」というテーマについて日本の台湾統治(1895~1945)の過程を解明するものである。
 戦前における日本の植民地統治の実態及び日本の戦後処理ないしアジア諸国への影響に対して、光と影の部分を峻別し史実を究明することを目指す。
 講義のほかに、ビデオなど適宜映像・音声資料を使用する。なお、植民地研究の研究者を特別講師として招聘する場合もある。

授業の到達目標

 近代史を翻弄する帝国主義と植民地主義の実態を究明し、第二次世界大戦後、アジアの国際関係との繋がりを理解することを期待している。

成績評価の方法および基準

 毎回授業後、200字程度の感想文を書く。その内容(50%)と期末に提出するレポート(50%)により評価する。
 なお、講義回数の3分の2以上出席することは単位修得の必須条件とする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 毎回、授業前にプリントを配布する。
参考文献「日本統治下の台湾」 許 世楷 著東京大学出版会
参考文献「台湾総督府」 黄 昭堂 著教育社歴史新書
参考文献「台湾」 伊藤 潔 著中公新書
参考文献「台湾を知る」 蔡 易達 他訳 蔡 易達 他訳
参考文献「植民地台湾の経済と社会」 老川慶喜 他著日本経済評論社

準備学修の内容

 講義の内容に関する参考文献に当たってMELIC(Media Library Center)を活用し、調査・研究を進めてほしい。通年の履修を望む。
 なお、日頃の勉強の成果に資するため、夏休みの期間中(9月初旬)、台湾研修旅行を実施する予定。できたら参加することを勧める。

その他履修上の注意事項

 大学に通えているのは保護者の方のおかげである。少しでもさぼり気味になりそうな時は親御さんの顔を思い浮かべてください。汗水垂らして稼いだお金があるからこそ、あなたは大学に通えている。それを頭の中に置いておくだけでも自然と頑張ろうという気になれるはずである。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス―東アジアの大陸文明と海洋文化
第2回概説 ― 複眼的な視野
第3回東アジアの海上交流
第4回台湾領有前の日台関係
第5回日清戦争と台湾の日本割譲
第6回弾圧と反抗 その1 統治前期の武装抗日運動
第7回弾圧と反抗 その2 統治後期の文化・政治活動
第8回原住民の反抗 ― 霧社事件
第9回日本統治下の台湾社会変遷
第10回戦時下の台湾 ― 経済統制と戦争動員
第11回「正」の遺産 ― 近代化にまつわる諸問題 その1 教育
第12回「正」の遺産 ― 近代化にまつわる諸問題 その2 インフラ建設
第13回「負」の遺産 ― 戦争の傷跡 その1 台湾人元日本兵問題
第14回「負」の遺産 ― 戦争の傷跡 その2 従軍慰安婦諸問題
第15回まとめ 終戦という転換期