美術史・文化遺産特殊講義3C-Ⅰ
担当者岡田  靖
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングCAS-201

授業の概要(ねらい)

 木は、その容易な入手条件と加工性の良さから、原始時代から世界中で様々な用途で使用されてきた。また、石材や金属に比べて表面に加飾を加えやすい木材は、さまざまな宗教の崇拝対象として彫刻され、その表面を金や鉱物を砕いた顔料などで装飾されてきた。日本においては、古代に伝播した仏教において造像された仏像の主要な材料となり、古代から近現代にいたるまで膨大な数の仏像が伝えられている。
 本授業では、木材を加工して制作されたエジプト、イタリア、日本の文化的遺物(文化財・文化遺産)の様式的、技法的変遷を学び、さらにそれらを現代において如何に保存、修復、活用を図っていくべきかについて、自然科学的な手法による調査法や理論や方法を交えて学び、考えたいと思います。

授業の到達目標

 木製文化財の保存修復を通じて、文化財が有する多面的な価値を認識し、文化財に込められた本質的な意義を考察することで、文化への幅広い見識を習得することを目指します。

成績評価の方法および基準

 学期末試験(60%)と平常点(40%)をもとに総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献

準備学修の内容

 仏像文化財などに関しては、一般向けの入門書が数多く出版されているため、興味のある本を探して予習を行ってください。

その他履修上の注意事項

 座学だけでは理解度が深まらないため、積極的に博物館、資料館、寺社などの見学を行うこと。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス ー木製文化財とはー
第2回エジプトの木製品について
第3回イタリアの木製彫刻について
第4回仏像の起源と東洋の仏像について
第5回仏像の図像について
第6回日本の木製仏像(古代)
第7回日本の木製仏像(中世)
第8回日本の木製仏像(近世)
第9回日本の木製彫刻(近代)
第10回木製仏像の構造について
第11回木製仏像の装飾について
第12回仏師について
第13回地域と仏像
第14回試験
第15回まとめ ー彫刻文化財の意義とはー