東洋政治思想史Ⅰ
担当者陳  佑真教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHIT-203

授業の概要(ねらい)

〇中国史の背景としての政治思想
 この授業では、古代から近代に至る中国歴代の政治思想の歴史上の変遷について学習します。
 中国では早い時期から、政治の方法や君主と臣下の関係などについて盛んに議論されてきました。中国思想の特徴は、抽象的な議論に終止せず、常に現実社会の問題と密接に結びついていたことにあります。歴史事件の背景にある思想を知ると、暗記中心だった歴史の学習がもっと楽しく、もっと意義深いものとなるでしょう。
 前期では、春秋戦国時代から北宋滅亡までの時期の政治思想を、それぞれの時代に存在した具体的な政治上の問題と絡めて分析してゆきます。

授業の到達目標

☆1:中国の歴史上登場した様々な思想について理解できるようになる。
☆2:歴史上の出来事とその背景にある政治思想を結びつけ、歴史について多角的に考える能力を獲得する。

成績評価の方法および基準

授業への参加姿勢(50%・コメントペーパーを配布し、疑問や考えたことを記入していただきます)・授業内試験(50%・授業でお話ししたことの理解度を測るものです)によって評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 プリントを配布します。
参考文献 授業で扱うテーマが多岐にわたるので参考文献はその都度ご紹介しますが、全般に関するものとしては以下をおすすめします。
参考文献『中国思想史』・武内義雄岩波全書
参考文献『概説中国思想史』・湯浅邦弘編著ミネルヴァ書房

準備学修の内容

高等学校世界史科目の春秋戦国時代から宋代の中国史に関する内容について、不安のある方は教科書を復習しておいてください。
授業でお配りするプリントをよく読み、復習によって知識の定着につとめてください。

その他履修上の注意事項

主体的に関心をもち、もっと知りたいこと、疑問に思うことについて積極的にご意見くださることを期待しています。
私語など一緒に授業を受ける仲間の集中を削ぐ行為はなさらないでください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス:教員自己紹介・授業概要説明(LMS配信)
第2回性善説と性悪説―人間は努力で変われるのか?(対面授業)
第3回『春秋』の世界(1)―戦乱の時代の世界認識(対面授業)
第4回『春秋』の世界(2)―尊王攘夷と中華思想(対面授業)
第5回儒家と法家―法治主義って本当にいいこと?(対面授業)
第6回漢代の儒教政策(1)―忠誠と孝行の間で揺れる人々と『孝経』(対面授業)
第7回漢代の儒教政策(2)―社会不安と怪しいまじない・儒教国家の確立(対面授業)
第8回魏晋南北朝の政治と宗教(1)―乱世を駆ける仙人と菩薩(対面授業)
第9回魏晋南北朝の政治と宗教(2)―隠逸・清談と儒教国家(対面授業)
第10回世界帝国・唐の繁栄と没落―その時詩人たちは何を語ったか(LMS配信)
第11回北宋時代の政治思想(1)―文治政策と士大夫の勃興(対面授業)
第12回北宋時代の政治思想(2)―王安石の改革と党争(対面授業)
第13回北宋時代の政治思想(3)―天才蘇東坡と秀才程頤(対面授業)
第14回北宋時代の政治思想(4)―対外政策の失敗と北宋の滅亡(対面授業)
第15回前期総まとめ・試験(対面授業)
※各回の内容には、授業の進行ペースや皆さんの関心の傾きに応じて調整を加えることがあります。